わたしは、ダニエル・ブレイク

前作で引退を表明していた80歳のケン・ローチ監督が、もう一度映画を作ろうと立ち上がり、見事カンヌ国際映画祭においてパルムドールを獲得した作品。
ケン・ローチは、いつも労働者の心に寄り添って作品作りを続けてきたと言われている。僕も、何作か彼の作品を観ているけど、大抵主人公は、真面目で実直な労働者だった。
間も無く60歳になろうというダニエル・ブレイクは、実直に大工として働いて来た。最愛の妻を失った後は一人暮らしだったが、心臓病で倒れ、仕事が許可されなくなってしまう。
仕事をなくして、自ら食べて行くために、国の失業者支援を頼ろうとするのだけど、そこで、同じように貧困に苦しむ親子に出会うことになる。
世界の富豪8人の資産は、世界の貧困層36億人と同じだというニュースが飛び交っていたけど、世界ではますます貧富の格差が広がっている。
ケン・ローチが教えてくれることは、富める者も、貧しい者も、力の強い者も、力の弱い者も、皆等しく価値のある命だということ。
加速してゆく資本主義の真っ只中にいると、時々そんな当たり前のことをみんなが忘れてしまうような時があるような気がする。
どんなに貧しくても、助けが必要な人に手を差し伸べること。弱者がいたら助け合うという姿に、人間の真の美しさを見せつけられる作品。
⭐︎わたしは、ダニエル・ブレイクhttp://danielblake.jp

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