怖い夢を見た時に。

会社のエレベーターに乗っていると、そのままどんどん高く上がっていって、その後、ガクンと不具合を感じたので怖くなって途中の階で思わずエレベーターを降りた。
極度の高所恐怖症なので、心臓をバクバクさせながら床にうつ伏せになると、目の前の地面が裂けてきて、遥か下の地面まで見えてきて、恐ろしさのあまり気を失いそうになった…
そこでハッと目が醒めると、あまりの恐怖で全身に脂汗をかいていた。
それと同時に、僕の左手をKの右手がそっと包み込んだ。Kは起きているわけではなくて、眠りながら無意識に僕の手を掴んだのだろう。
怖い夢を見た時に、隣に恋人がいるというだけで、なんという安心感だろう。僕は、震えながらその手を掴んで、しばらくするとそのままもう一度眠りに落ちていった。
朝起きた時にその時の話をしても、Kはまったく覚えていなかった。
どんなに怖かったのかと熱心に話す僕を見ながら、Kは寝ぼけた顔をして笑っていた。
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