母に会いに。

僕が一人暮らしを始めてから、しばらくして再婚した母は、千葉で暮らしている。
僕の家からだと1時間半くらいかかるので、頻繁に家に行くことはないのだけど、正月なので、母に会いに千葉へ向かった。
玄関には母が庭の植物で手作りした正月飾りがかけてある。
玄関やリビングに飾られた花たちも、水仙に千両、松の枝、椿、蠟梅と、どれも家の庭から摘んできた花たちだ。
お父さんは普段はあまりしやべらず、母と僕が間を空けずよくしゃべっている。お父さんは気を遣って、僕のグラスが少なくなるとすぐに僕に日本酒を注ごうとする。
母「千葉ではね、お正月の三が日は、旦那さんがお雑煮を作って家族に食べさせるらしいのよ。だからこの人、朝は私よりも早く起きて、せっせとお雑煮を作ってくれるの…」
母の人生は、僕の父との結婚では苦労を沢山させられたのだけど、晩年にこの父と再婚したことによって、本当に幸福な毎日になったのだ。
いつまでも健康で、出来れば僕よりも長生きして欲しいと、笑う母の顔を見ながら思ったのだ。

幸せなひとりぼっち

正月二日は、映画の神様に挨拶せねばと思い、シネマカリテでやっているスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』を観に行った。
この映画はスウェーデンで公開されるや否や、スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)を抑えトップに躍り出る大ヒットになったそうだ。
59歳のオーヴェは、最愛の妻を失い孤独に生きているのだが、頑なに自分の主義主張を貫き通し、周りからは変人扱いされている。
そんなある日、ペルシャ系の家族が引っ越して来て、オーヴェの毎日が少しずつ変化してゆく・・・。
はじめは、なんという頑固親父なんだろう…と思いながら見ていたのだけど、次第にオーヴェの生きてきた人生が回想され、いつの間にか涙が頬をつたっていた。
人生の困難と甘美を見事に描いた作品。
★幸せなひとりぼっちhttp://hitori-movie.com

あけまして ありがとう ございます

近くに住んでいる妹のようなGが、「おせち料理が食べたいです」と言うので、「それじゃあ元旦の夕方に来れば?」と伝え、Gがやってきた。
一昨年の正月も、Gはその頃つきあっていた年下の恋人と僕の家で元旦を迎えたのだけど、その後ふたりは別れてしまいしばらくひとりでいたのだけど、今年は新しい恋人を連れてやってきた。
栗きんとん、黒豆、田作り、数の子、紅白なます、たたきごぼう、鯛の昆布締め、八幡巻き、お煮しめ、のし鷄、車海老の煮物、牛肉の煮物、お雑煮、いちご…
誰かしら家に来るだろうと思って作ったおせち料理は、ゆっくりと日本酒を飲みながら、色々な話を聞きながら程よく片付けられていった。
ふたりが、かぶら寿司と生きているアワビを持ってきてくれたので、思いがけず豪華な食事に。
普段はアクティビストで、LGBTのことばかりに躍起になって生きている妹のGが、新しい恋人の前ではなんだか乙女になっていて幸せそうで、僕もうれしかった。
おかげさまで家族や友人たちに支えられて、また新しい年を迎えることが出来ました。
あけまして
ありがとう
ございます
本年もよろしく
お願いいたします