新宿御苑という庭が出来ました。

美しいユリノキ

春は桜の咲く頃、初夏のピクニック、秋の清々しい空気を吸いに、そして深まりゆく紅葉の頃…気がつけば、今年も6回くらい新宿御苑に来ていた。
そこで、年間パスポートというものを手に入れることにした。
一年間フリーパスで2000円なのだけど、前はなかなか10回は来ないかな…と思っていたけど、このところ、千駄ヶ谷門からの人気のなさや森のようないい匂いに魅せられて、頻繁に行くようになっていたのだ。
それと、千駄ヶ谷門から新宿門へ抜けると、家から新宿まで歩いてもすぐだということがわかったから。明治通りを歩く気はしないけど、新宿御苑を歩くのは、晴れていると思いの外気持ちいいことを知ったのだ。
家のそばに、こんなに贅沢な庭があったなんて、今までなんてもったいないことをしていたのだろう。
これからはパスがあるから、気軽に思いついた日にすぐに行くことにしよう。
簡単なサンドイッチや、おにぎりを握って行ってもいいだろうな。

マイ・ベストフレンド

大好きなドリューバリモアが出ているということで、上映開始日に悦び勇んで新宿に観に行った。
この映画は、地味で実直なドリューバリモアと学生時代からの親友である派手なトニ・コレット、ふたりの友情物語で、映画の脚本自体、ちょっと『フォーエバーフレンズ』を思い出させる。
トニ・コレットは、派手な生活を好み、まるでゲイというか女装のような出で立ちとドラマクイーンのような人を巻き込む性格。旦那もいて、ふたりのかわいい子どもに恵まれ順風満帆な生活に見える時に、自分が乳癌であることがわかる。
乳癌が進行してゆく友人と家族を支える地味なドリューバリモアの演技がとても自然でがうまい。
演技派で知られるトニ・コレットは、やはりハマリ役で、年老いた女装のような気怠さを身につけ、癌が進行し身体が衰えてゆく物悲しさを見事に演じている。
設定からしてだいたい最後まで読める脚本ではあるが、乳癌が進行してゆくという悲しい題材でありながら、ところどころでとても笑えるし、恐らく女の人同士でなければわからないような不思議な友情に心打たれるに違いない。
友人とでも、デートでも、誰かと一緒に観るのにとてもいい映画。
★マイ・ベストフレンドhttp://mybestfriend.jp/sp/index.html

もつ鍋ダイニング繪もん

ごぼうと山芋の揚げ物

味がしみた鶏肉

もともと『もつ鍋』自体に興味がないので素通りしていたのだけど、同じ名前の店が数百メートル先の明治通り沿いにもあり、支店もあるならば一度入ってみようと入店へ。
驚いたことに店内はほぼ満席。メニューはもつ鍋メインかと思ったらそうではなく、創作料理がメイン。人参とジャコのサラダ、ごぼうと山芋の揚げ物…すすめられるまま頼むと、どれも美味しい。
鶏肉も美味しく満足したのだけど、もつ鍋まで入るかな…と思うようなボリューム。お願いしていたもつ鍋は、量もそれほどなく、醬油味はあっさりとしていてすんなり食べることが出来た。もつ鍋がっつりならば、追加オーダーした方がいいかもしれない。
博多の濃くてスパイシーなもつ鍋とは違うけど、お酒を飲みながら、料理をつまむにはとても使い勝手がいい店だと思う。
★EMON 千駄ヶ谷本店
03-3746-0606
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-13-20 第七宮廷マンション 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13017771/

紅葉。

千駄ヶ谷の並木の落ち葉

町中のジューンベリー

千駄ヶ谷の駅前に、東京体育館に寄り添うように、名前はわからないのだけどとても綺麗な並木が続いている。
この道を通るたびに、夏は緑が青々と茂り、綺麗だなあと思いながら過ごして来たけど、秋が深まる中で、並木は葉を黄色に染めはじめ、チラホラとオレンジや赤も入るようになって来た。
あまりにも綺麗なので、朝会社に行くときに拾ってデスクに置いておいたら、帰る頃には水分が抜けて、カサカサになり、鮮やかだった黄色の面影は無くなっていた。
紅葉とは、樹々が最後の力を振り絞って、水分を行き渡らせていた葉をゆっくりと手放していくことなのだろう。
東京の町中も、ところどころで紅葉がはじまっている。この頃は町を歩きながら、過ぎてゆく秋を惜しむかのように探している。

LGBT差別にNOと言える日本へ。

友人たちが一丸となって、11月16日、衆議院第二会館で院内集会を開き、国会議員に法律を整備するように訴えたhttps://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/lgbt-innaishukai-20161116?utm_term=.md1nGekxP#.hqVPaBxOq。
渋谷区を皮切りに、『同性パートナーを認める制度』のようなものができて、毎日のようにLGBTのことがニュースになってきてはいるけれども、この国ではいまだに、学校でも社会でも至るところでLGBTに対するいじめや差別が日常的に繰り返されている。
民間で変わり始めてきている実感はあるけれども、国の法律が変わらなければ、本当の意味での平等は訪れないに違いない。
急遽開催された集会で、お昼の1時間半であったにもかかわらず、会場に入れないくらいの沢山の方々が駆けつけてくれた。
僕はKと一緒に最初から最後までスピーカーの話に耳を傾けていたのだけど、LGBTの当事者が思いを語り、議員の方がその思いに耳を傾けるような構成だった。
もちろん、すぐに法律が作られて、この国が変わるとは思はない。
でも、友人たちが立ち上がり、行動を起こすことで、確実に次につながってゆくのだと思うのだ。
その先にある同性婚が認められるようになる日まで、1日でも早く、この国でLGBTの人権が認められますようにと願っている。

Kが、帰って来た。

飛行機から降り立ったKは、荷物をピックアップするカウンターで僕がいるかいないか、きょろきょろと出口を見ている。荷物を持って出て来たKは、久しぶりに僕の顔を見てうれしそうな顔に変わる。「髪の毛短くしたの?」
家には、水炊きの準備がしてあったので、帰ってからはゆっくりと話をしながら水炊きの準備に取りかかる。帰って来てゆっくりとしたいだろうけど、Kにも料理の補助をさせる。野菜を切ったり、お米を研いだり、自家製ポン酢を絞ってつくったり。
後片付けをしながら、ブドウをお皿によそい、洗い物をする。
ふたりでブドウをつまみながら、「これが僕の毎日なんだ・・・」と改めて思う。
特別な料理は何もなくても、ふたりで食べるご飯は幸福だった。
<水炊きの材料>
鶏の骨付きぶつ切り肉 1キロくらい
もも肉 2枚(お好みで)
長ネギ1本かタマネギ1/2
豆腐
キャベツ
水菜
好きなきのこ
鴨頭ネギか万能ネギの小口切り

ポン酢
◎ひき肉 300グラム
長ネギの白い部分1本かタマネギ1/2
塩小さじ 1/2
胡椒
酒大さじ 1
卵 1個
<水炊きの作り方>
1,鶏の骨つきぶつ切り肉は、綺麗に洗う。大きな鍋に水を3ℓ沸かしたところにぶつ切り肉を入れる。お肉に火が入って来たら、しばらく灰汁が出るのでまめに掬う。
2,灰汁が出なくなったら蓋をして、強火のまま45分から1時間煮出す。(途中水が少なくなったらこまめに継ぎ足す)
もも肉がある場合は、20分くらい最後に火を通す。
3,30分以上そのまま放置して、鶏肉に旨味がゆっくりと戻るのを待つ。
4,◎ひき肉以下の材料を一緒にして食べやすい大きさのつみれを作っておく。野菜や豆腐を切っておく。
5,鍋を温めてから、スープに塩を入れて味わい、お肉をボンズでいただく。その後、野菜や豆腐、つみれを入れていただく。

四川DINING 望蜀瀘

茹で鶏肉辛ソースがけ

久しぶりに、台湾人の娘と食事をするので、何が食べたいかと聞くと、「鍋」と言うので、ふたりで鍋もどうかと思い、友人ふたりを誘って4人で火鍋を囲むことに。
僕は、東京人にしては火鍋を食べている方だと思うけど、毎回新しいレストランに行きたくなってしまい、赤坂見附にあるはじめてのお店『四川DINING 望蜀瀘』へ。
お店を開けると、途端にエキゾチックな香りが広がる。厨房は、唐辛子が山のように置いてある。笑
3000円の2種類の鍋セットと、四川ダックと書いてあるものを頼む。鍋のコースは3000円でも、お通し、餃子、辛い蒸し鶏、きゅうり、海老マヨ…食べきれないくらい料理が出てくる。
やがて鍋が運ばれる頃には、いい感じにお腹は膨らんでいる。羊肉など、お肉は4種類。スープは日本人好みにすることなく本場の辛さたっぷりだ。鍋を食べ終わった頃に、炒飯が運ばれて来て、紹興酒をボトルで飲んだのに一人5000円という素晴らしい値段。
赤坂見附は何気に四川料理の激戦区で、僕が好きなのは同源楼だけど、この店も四川出身のご夫婦がやっているようで、カジュアルだけどとても人懐こい接客で好感が持てる。
辛さに弱い人は、辛くない方の鍋を頼んだほうが良いと思う。きっとお腹を壊してしまうに違いない。
四川DINING 望蜀瀘
03-3588-6693
東京都港区赤坂4-2-5 ヤブタビル2F
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13125606/

幸福な結婚式。

生きているとごく稀に、「なんて幸福なんだろう・・・」と思える時がある。
僕についていた後輩Sの結婚式の披露宴に呼ばれ、横浜に。
前から聞いていたSの彼女は年上の女性。所沢の駅でSが彼女が落とした携帯を拾って交番に届けたことがはじまりだったという。そんなことから1年後に交際がはじまり、ほぼ8年目を経て結婚に至ったのだそうだ。
Sは、とてもやさしい性格で、誰にでも好かれる男。たとえば、入社して数年たった時に広告賞に応募して見事に大賞を取ったのだけど、その年に大震災があり、Sは意を決してその賞金200万円をすべて義援金として寄付をしてしまったり、その手の話にことかかない。
パリに彼女と旅行をした時は、警察を装った男に、財布までチェックされて、気がついたら10万円盗まれていたというおとぼけさんでもある。
そんな子どものように可愛がっていた後輩の結婚式に呼ばれ、想像していたようにやさしそうなお母さんにお会い出来、最後にお父さんの挨拶では、珍らしくお父さんが泣き出してしまい、涙で挨拶もめちゃくちゃになってしまったのだけど、気がつくと僕も泣いてしまっていた。
結婚式会場には、ひとりひとりに手紙が添えられていて(写真)、Sと過ごした親子のような日々を懐かしく思い出したのだった。
写真の天国の橋、地獄の門というのは、僕がSに、箸の上げ下げを教えたことと、僕の名前がかけられており、昔僕がSとイタリアンを食べに行った時に、Sが物凄い音を立ててスパゲッティを飲み込んだ音を聞いて、僕が「地獄の門が開く音がする」とSに言い、スパゲッティを食べる時は、蕎麦やうどんのように、音は立てない方がいいと教えた思い出からきている。
自分の好きな人の幸福は、自分の幸福でもある。
彼の、一生に一度の幸福な瞬間に立ち会うことができて、僕も胸がはちきれそうなほど幸福だったのだ。

劇団ぺんぺん第28回公演 TAKE FIVE

だんだん朝晩が涼しくなり、師走が近づいてきた。
そうなってくると、今年も劇団ぺんぺんのお芝居がやってくる。
劇団ぺんぺんのお芝居も、残すところあと3回(3年)の公演で、おしまいになるというので、今年の公演もとても楽しみにしている。
劇団ぺんぺんの芝居は、『真夜中のパーティ』にはじまり、その後、和ものも含めて様々な芝居を発表してきたが、『TAKE FIVE』は、劇団ぺんぺんの初のオリジナル脚本のシリーズもので、新宿2丁目の小さなゲイバーで起こる悲劇と喜劇がごちゃ混ぜになったような脚本だ。
2丁目の新千鳥街の片隅にあるペンペン草は、そこにいると本当に舞台かと思えるように、気狂いやらへんてこなお客さんやら(僕も含まれている)が毎日のようにやってきては、お酒を飲みながら信じられないことを話したり、実際に驚くようなことが起きている場所だ。
そんな新宿2丁目が生み出した文化とも言えるような劇団ぺんぺんの公演『TAKE FIVE』、ご覧になったことがない方がいたら、ぜひ、今年の芝居を観ることをおすすめします。
⭐️劇団ぺんぺん 第28回公演 『TAKE FIVE』http://www.asahi-net.or.jp/~wc8t-tbsk/kotosi.html
12月2・3・4 の5回公演です。

92歳のパリジェンヌ

2002年、リオネル・ジョスパン仏元首相の母親が、92歳で自ら死を選び取った実話をもとに、制作された映画。
近頃、老人や老い、死をテーマにした映画がとても多くなったように感じるけれども、ヨーロッパの国々は、これらのテーマに真っ向から取り組み、日本よりもずっと先に行っているように思う。この映画は、少しずつ身体の自由が利かなくなり、できないことが増えて行き、老いてゆく自分の未来を、自分で決断したいという尊厳死をテーマにした作品。
主人公のマドレーヌは、家族を愛し、そして何よりも奔放で、自分の生きたいように、意志を曲げることなく貫いて生きてきた。92歳の誕生日に、かねてから決めていた自分の最期について家族に発表するが、家族には猛反対されることになる。
そもそも、自分の人生なのだから、誰にも迷惑をかけたくはないし、人生のおしまいも自分で決めたいと思うマドレーヌと、息子や娘たちが反発し、やがて時間をかけてどのように受け入れていくのかを丁寧に描いた佳作。
マドレーヌ役のおばあさんはコメディアンだというけど、驚くほどナチュラルな演技だったし、サンドリーヌ・ボネールも、いつにも増して素晴らしかった。
老いは、誰にとっても他人事ではなく、じっくりと考えさせられる素晴らしい作品だった。
⭐️92歳のパリジェンヌhttp://gaga.ne.jp/92parisienne/