母からの宅急便。

先日、母に電話した際に、これから送ると言っていたダンボールが届いた。
中を開けると、リンゴと、沢山の不揃いなみかんと、ほのぼのとした柿が出て来た。そう、みかんと柿は、およそスーパーでは並んでいないような出で立ちなのだ。
荷物が届いたことを母に知らせようと電話をしたところ、
「あら、荷物届いたの?
りんごはふじではないけど、この時期では美味しいりんごを取り寄せたから。
みかんは畑でなってたやつ。見てくれは悪いけど、もう甘くなって来てたから。
あんた、りんごの皮を剥くのは面倒だろうけど、みかんはよく食べてたからね。
柿は、いつものうちの庭でなった柿だから。甘いのよ」
早速オリーブの木のボウルにみかんと柿を入れてみた。
不恰好な柿は、熟れているものとまだ早いものが混在しているし、みかんは、どれを取ってもいびつな形をしている。
それでも、こんなに沢山の果物を、一人暮らしと思っている息子に送る母親の気持ちを思うと、なんだか泣けてくる。
机の上の沢山の果物たちを眺めながら、まっすぐで不器用な母の温かさを感じたのだった。

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