ついにKを、ぺんぺん草に。

実は、Kが東京にやって来てから、僕はぺんぺん草に顔を出していなかった。
Kが東京にやってきて、3ヶ月めに突入したのだけど、ほとんど会社の用事がない限り、仕事が終わればまずまっすぐ家に帰り、ご飯を作り、ふたりでご飯を食べながら、夕方から夜の時間をのんびりと家で過ごすようにしていたからだ。
僕にとって、Kが東京の生活に慣れるまでの期間は、きちんと気を遣わなくてはいけないような気がして、僕の行動の中でも、なによりもKのことを最優先してきた。そしてそれは、朝起きてから夜寝るまで、ほとんど一緒にふたりで過ごすことであったのだけど、考えてみたら、こんなに長く一緒に誰かと過ごすなんて、自分の親以外になかった気がする。
ぺんぺん草には、そのうちに連れて行こうとは思っていたのだけど、中にはうるさい輩もいるので、常連客でごった返す時間は避けたいと思っていたのだ。
ぺんぺん草のひろしさんが、いったいどんな反応をするのだろうか・・・
「この女はね・・・ろくでもない人間なのよ。あんたはこの女にだまされてるわ!」
と、Kに言うに違いない。(笑)ぺんぺん草の違法建築の階段を上がると、ひろしさんはちょっと驚いた顔をした。
「あれ?この子なの・・・?
私はもっとデブかと思ったわ」
なんでも、以前ここにあげたKがソファに寝ている写真を覚えていたようで、身体しか写っていないのに、どうやら太っている人だと思っていたようだ。
「まあ・・・いいわね・・・
つかの間の幸せって・・・」
そんなひろしさんのセリフを聞いて、僕もKもゲラゲラ笑って、周りにいたお客さんも一斉に笑っていた。
久しぶりのぺんぺん草は、相変わらずの常連客ばかりだったのだけど、どうやら無事にKのお披露目が済んだのでした。
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