台湾からMがやってきた。

Mは、台北にあるゲイバー『Goldfish』の店員さんで34歳。僕は台北を訪れる時にはいつもGoldfishに顔を出すので、その度にいつも気さくに僕の相手をしてくれる。
Mにとってははじめての東京のようで、LINEで張り切って連絡が来た。「東京にはじめて行くから、時間があったら会いましょう!」会う前に、何が食べたいかと聞くと、
「ラーメン!」
という答えが帰ってきて笑ったのだけど、ラーメンは飲んだ後に場所を教えるからと言って『神場』にした。
『神場』に入り、まずお酒の注文を何にする?と聞くと、Mは、「???…だって、ごはん食べるんでしょ?」と聞いてきた。
僕「日本では、こんな風に友達なんかと晩ご飯を食べる時に、お酒を飲む人はお酒をまず頼むし、アルコールを頼まない人ももちろんいるよ」
M「へー、そうなんだ?じゃあ、カクテルにしたい…Goldfishはいつもりカクテルが沢山あるから」
僕「あ、この店は…というか、ほとんど日本のご飯を食べるお店では、カクテルはないんだよ。カクテルは、バーにはあるけど…」
そこで、一番Mが飲めそうな梅酒にした。
いくつか料理が運ばれてきて、2時間くらい経っただろうか…Mがなんだか元気がなくなってきた。
僕「M、大丈夫?なんだかあまり食べてないみたいだけど…」
M「ごはんを食べるだけで2時間もかかるなんて思わなかった。もうこれ以上食べられないよ…台湾では、ごはんに時間をかけないし、ほんの少し食べて、1日に何度も食べる感じだから…」
台湾人がみんなMのようだとは限らないけど、言われてみれば、日本の食事の仕方と台湾の食事の仕方は、大きく違っているのかもしれない。
その後、二丁目を歩きながら案内をして、Bridgeへ。新宿二丁目の店の多さにも驚いたみたいだったけど、それぞれの店の狭さにも驚いたみたいだった。
僕は、Mが台湾との違いに驚くたびに、はじめての日本を、Mが帰る頃には好きになっていて欲しいなあと思いながら笑って見ていた。

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