バラの匂い。

今年最初のバラ、『マダム・アルフレッド・キャリエール』が咲きはじめた。
象牙色のような、仄かにピンク色がかる花弁に、爽やかな香りをまとったバラ。
花の形は野趣があり、自由に枝が伸びてたっぷりと花が咲く姿は、どこかフランスの貴婦人を思わせる。
「バラが咲いたから、香りを嗅いでみて!」
僕とつきあいはじめてから、ベランダでも花屋さんでも道端でも、花や葉の匂いをしょっちゅう嗅がされるKは、時々、困ったなあ…といった顔をしながらも、僕の言われるままに花に顔を近づける。
「いい匂い…」
これから様々なバラが咲き乱れる僕の家のベランダは、この季節、ここは天国なのではないか…と思うような幸福感を感じさせてくれる。

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