忘れられない誕生日。

9月21日は、母の誕生日。
そして、亡くなった昔の恋人Nの誕生日でもある。
昔、はじめてNの誕生日を聞いた時に、耳を疑った。「本当に9月21日?」
僕の親族は、同じ誕生日の人がお嫁に来たり、家族と同じ名前の人と結婚したりする不思議な家で、Nが母と同じ誕生日だと知った時に、この人は僕の恋人になるに違いないと思ったものだ。
母が一時期入院をした時に、Nは手づくりのお弁当を持って、僕の母のお見舞いに来てくれたことがあった。
母は、とてもNのことが気に入って、その後もことあるごとに、「Nさんは元気かしら?」と僕に聞いていたものだ。
昨日は母の誕生日を祝い食事をしながら、どうしても51歳で亡くなってしまったNのことばかり頭の中でぐるぐると考えていた。
Nは僕と別れたあと、いったいどんな毎日を送っていたのだろう…
自分の死が近づいた時に、どんな気持ちで過ごしていたのだろう…
Nの人生は、幸福だっただろうか…
もう二度と見ることの出来ない、太陽のような微笑みと、触れることの出来ないNの大きな身体に包まれた時の安心感を思い出す。
今でもNが、僕のすぐそばにいるように。
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