さようなら、iMac。

朝起きて、マックの電源を入れようとしたら、うんともすんとも言わない。
電源を切って、暫くしてから入れても入らない。
真後ろの線を抜いて15秒してから入れて5秒してボタンを押しても直らない。
アップルストアに予約して、電話でサポートしてもらうと、
「これはもう、残念ながら復旧出来ないと思います…」
思えば、7年もの間、故障などなく働いてくれた。もっと早く買い換えていれば、こんなことにならずに済んだのだとも思う。(使い方なのか、運なのか、7年というのは随分長い方のようだ)
iMacが故障して、中に何か重要なデータがあったかなと思い返すけど、無くなっても構わないような気がした。
僕の場合、今はほとんどiPhoneばかりで、家でパソコンを見ることがあまりなくなってしまった気がする。
これを機に買い換えをすすめられたが、正直、パソコンなんてなくてもいいのかもしれないと今は思っている。(必要ならばiPadでもいいかもしれない)
機械は、なんの前触れもなく突然死んでしまう。
いつもそばにいて沢山働いてくれたことに対して、壊れてしまった今になって、感謝の気持ちを感じている。

ノコギリヤシ。

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で、先日ここにも書いた『夜間飛行』という素晴らしい映画があったのだけど、全体の尺が134分ある作品で、現代の映画としては普通より少し長めだろうか。映画が終わって外に出ると、前の方で見ていた友人たちが笑いながら話しかけて来た。
「ただしさん聞いてください。
隣で観ていたHさん、ラストシーンの凄いいい場面でいきなり、トイレ行ってきます!と言って席を立っちゃったんですよ。
帰ってきたら、エンディングが流れてて…あんなにせつないラストシーンで、何もいま、トイレに立たなくてもよかったのに…」
僕はその話を聞きながら、何度も大笑いしてしまったのだけど、Hさんの気持ちが痛いほどわかったのだ。
僕も、40歳を過ぎる頃からだろうか、小便が近くなって、映画を観る前は必ずトイレに行くし、3時間を超える映画だと、途中席を立つこともある。
また、夜中に起きた時に、そんなにしたくもないのに小便をしておくのも、ある種の習慣のようになっている。
これは、前立腺肥大なのか、小便を溜めておく機能が衰えているのか、その両方なのからしいのだけど、先日、『ノコギリヤシ』のサプリメントを購入してみた。
これが、僕にとっては結構効いているようなのだ。
3粒を僕の場合は寝る前に飲むのだけど、途中小便をしたくて起きるなんてことがなくて、なんというか、溜まっていたとしても気にならなくなったのだ。
もちろん、これは僕にだけ効くのかもしれないし、もしかしたら信じやすい僕の性格なのかもしれないけど、僕にとっては、ここ最近でちょっとした驚きだった。
今度Hさんに会ったら、『ノコギリヤシ』のサプリメントをすすめてみようと思っている。
※僕が飲んでいるものは、TAKARAから出ているノコギリヤシ➕イソサミジンというもの。

違う見方。

TILGFFにて、『焦点台湾』という3本立ての短編集の上映が行われた。
前売りから売り切れていて、当日は立ち見も出ると言う盛況ぶりだったのだけど、友人たち何人かでこの短編集を観て、とても興味深いことがあった。
1本目のゲイカップルの映画『誰が為に生きて』を観た後に、それぞれの観た映画のストーリーの捉え方がバラバラだったのだ。
S「あれ、なんで時制がバラバラなの・・・?」
K「なんで2回も結婚式やろうとするんですか?」
F「結局一人は自殺しちゃったの?」
この映画は、ちょっと変わった映画で、冒頭から一人の男性が誰かに物語を呼んで聞かせているはじまり方であり、それは彼がはじめて書いた小説の話なのだ。
その小説が映像化されて流れていたのだけど、ほとんどの友人たちは、それがわからなくて、小説の世界と現実の主人公の世界が時制を越えてめちゃくちゃになってしまっていたようだ。
同じ映画を観ていても、僕たちは人によって観ているものが違っているのだと思う。
もちろんこんなことは映画だけでなく、目の前で起こるさまざまな出来事においてさえ、我々はみな、別の視点で見ていて、それぞれが違う感じ方を勝手にしているのだろう。

夜間飛行

もしもこの日曜日の夜お時間があるならば、青山のスパイラルホールに、『夜間飛行』を観に行かれてはいかがだろう。
ほとんどの作品が、シネマート新宿とスパイラルホールでの1回ずつの上映である中(シネマート新宿での上映は、先週で終わっている)、この韓国の映画『夜間飛行』は、スパイラルで2回上映されるのだ。
韓国の『イ=ソン・ヒイル監督』の映画は、僕も何本か観ているのだけど、一昨年のクイア映画祭でこの監督の中編映画を3本を特集していて、その3本がどれも真珠のように素晴らしかったのだ。
そして今回の『夜間飛行』は、甘酸っぱい青春時代をギュっと閉じ込めた素晴らしい一本だった。
中学校の頃は親友だった3人は、高校になり離れ離れになり、一人は優等生、一人はいじめられっ子、そして一人は不良のリーダー格になっている…。
韓国の厳しい受験戦争と、ゲイであることなど公には認められない保守的な社会の中で、主人公がもがき苦しみながら、自分の恋にまっすぐに突き進もうとする映画。
汗ばむような湿度の高いアジアの情感をたっぷりと封じ込めた映画。韓国の映画らしい暴力シーンもあるが、何よりも、主演の二人がハンサムで美しく、官能的だ。
映画を観終わって、しばし僕は放心状態のようになってしまった。きっと映画の中の二人に、恋をしてしまったのだろう。
彼らをもう一度観るために、またスパイラルホールの最終回に行こうかと、今も迷っているくらいだ。
★第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭http://tokyo-lgff.org/2015/

イート・ウィズ・ミー

第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭がはじまった。スパイラルホール初日の2本どちらも見応えあった中から、『イート・ウィズ・ミー』。
アメリカで暮らすアジア人のエリオットは、あまり客足が伸びない中華料理店を営んでいる。そこへ、旦那に失望した母親のエマが転がり込む。
母親に対するカミングアウトという難しい問題を扱った映画なのだけど、エリオットの隣人をはじめ、登場人物たちがとてもコミカルで笑いが絶えない。
母親役が、菅井きんのような味のあるおばさんで、ずば抜けた演技をしているし、『ジョージ・タケイ』が本人のまま出ていたり、力の抜け方がカミングアウトに関してもずっと先を行っているアメリカならではだろう。
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。この映画祭がはじまって24回を迎えるなんて、なんて感慨深いものだろう。
LGBT映画を、誰に気をつかうこともなく、みんなで大笑いしたり、涙を流したりしながら観ることが出来るのは、まさに至福の時間だ。
世界中のLGBT映画が日本語にきちんと翻訳されて字幕で観られるなんて、感謝をしてもしきれないくらい、ありがたいことだと思っている。
もし、今までに行ったことのない人がいたら、ぜひこの機会に足を運んでみたらどうだろうか。
★第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭http://tokyo-lgff.org/2015/

モントリオールからJFが来日。

豆乳とコーンとウニ

お造り

クエと松茸のご飯

昨年モントリオールでお世話になった、カナダ人のJFが来日していて、金沢や京都を旅行したあとに、やっと東京で会うことが出来た。四谷三丁目の行きつけの店『和食こんどうhttp://s.tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13150477/』へ。
それにしても、こんなに日本好きな外国人を僕は見たことがないかもしれない。
お料理が出て来るたびに、それらがどこの産地なのか、素材は何かをいちいち確かめるように聞いてくる。
「大間はどこですか?」
ほぼ2ヶ月くらい、日本のあちこちを旅して来たのに、また今度は来年の1月に日本に来たいと、次の旅行の予定を立てていたりする。
僕が、カナダにまた遊びに行きたいと言うと、JFは張り切ってカナダの連れ回したい場所を話し出す。
「カヌーをして、オーロラを見に行きましょう…それから、スキーもいいし、カエデの紅葉も見て欲しいんです…」
「モントリオールに暫く住めばいいですよ。僕の家にただしが住んで暮らせばいいです。僕は日本に来て、ただしの家に行くから…」
僕は僕で、ふとモントリオールに行って暮らすことを夢想してみる。呪文のようにしか聞こえないフランス語の町の、美味しいビストロなんかに行くのもいいだろう。
本当のところ、日本の会社に今のまま定年まで勤めていなければならない理由なんて僕たちにはないのだ。
「お金を稼がないと生きていけない」とか、「老後はどうするの?」とか、そんな不安があるから、僕たちはほとんど定年まで何も考えずに働くのだろう。
でも本当は、人はどこの国で、どんな風に生きたってかまわないのだ。
そんな風に思うと、後半の人生がぐっと魅力的に見えてくるから不思議だ。
★素顔のモントリオール。その1http://jingumae.petit.cc/banana/2334594
★素顔のモントリオール。その2http://jingumae.petit.cc/banana/2335014

雪の轍

カンヌ映画祭で昨年パルムドールを受賞したというトルコ映画『雪の轍』は、観光地としても有名なカッパドキアの穴倉のようなホテルが舞台だった。
3時間を超える大作は、分厚くて難解な小説のページをゆっくりと読んでいくような愉しみがある。
かつて舞台俳優をしていた初老の男性は、莫大な父親の財産を受け継ぎ、ホテルを経営しながら地主として裕福に生きている。
その男には、20歳くらい年の離れた美しい妻と、離婚して出戻りの妹がいて、一緒に暮らしている。
主な登場人物は、この家族とその周りの人々であり、物語は美しいカッパドキアの景色とともに淡々と進み、登場人物たちの会話によってストーリーと彼らがどんな人間なのかがゆっくりと見えてくる…。
まるで、昔の大作映画のようなこの作品は、どんな映画なのかということを言葉で説明することが難しい。
監督は、人間や人生の様々な『対極』を丁寧に描いてゆく。そして、いいとか悪いとかの判断は加えずに、すべて観ている人がどう捉えるかに任せている。
登場人物たちは、今の生き方や自分にどこか不満を抱えながら、出口のない迷路に迷い込み、時に自分が選ばなかった人生を遠く思い返している…。
それはまるで、我々のようでもある…
★雪の轍http://bitters.co.jp/wadachi/

これ、なーんだ?

答えは、『アボカドスライサー』。
OXOという1990年ニューヨークのブランド。
僕も、いくつかOXOの商品は愛用していて、例えば『上から見たら、どれくらいの量が入っているかわかる計量カップ』とか、『押すだけで簡単に水が切れるサラダの水切り』とか…
どの商品も、生活者の立場に立って、日常のキッチン周りの家事をより簡単にするために考案された革新的なものたちばかりだ。
アボカド好きの僕にとってさえ、アボカドを切って、種を出して、スライスすることは、実は少し面倒くさいと思う。
アボカドを潰してしまうこともよくあるし、綺麗に切れないこともある。
1.アボカドの周りをグルッと切る
2.真ん中の金属で種を取り出す
3.一気にアボカドを掬いとる
このおもちゃのような道具は、そんな僕にも、ちょっとやる気を起こさせてくれて、以前よりもよりアボカドを日常的に食べるようになった。
力の弱い女性や老人、誰のためにでも、簡単にキッチン周りの仕事が出来るように考え尽くされた商品は、革新的なアイデアで満ちている。

アリスのままで

大好きなジュリアン・ムーアが、アカデミー主演女優賞を受賞した。
遺伝性若年性アルツハイマーを扱ったとても素晴らしい作品だった。
すべてはアリスの視点で描かれているので、映画自体に自然と入って行くことが出来る。単語や、人の名前、ついさっきの記憶でさえ忘却してゆく恐ろしい病気に対して、逃げることなく真っ向から挑んだ強い作品。
聡明で教養があり、優秀な大学の教授であったアリスにとって、最もつらいであろうこの病気と向き合ってゆく時に、最後まで自分自身に誇りを持ちながら生きる姿が美しい。アリスを支え続けるのは、夫や娘たちだ。
アリスは、50歳。僕は46歳。アルツハイマーや認知症になる可能性は、僕にだってあるのだと考えさせられた。
自分の記憶が少しずつ失われていく時に、僕にはそばにいてくれる人がいるだろうか。
アリスのように、強く美しい生き方ができるだろうか。
ジュリアン・ムーアのスピーチのシーンも素晴らしいが、ラストシーンでは、涙が溢れて止まらなかった。
★アリスのままでhttp://alice-movie.com

ピッツェリア ダ ガエターノ

EXマルゲリータ

ビスマルク

モッツァレラと生ハム

ナポリの有名なピザ屋さん『ガエターノ』が、世界ではじめて暖簾分けした店が福岡にあることは知っていたのだけど、やっと行くことが出来た。
薬院の駅から1分くらいにある店は、暑い外気が入らないようにビニールで覆われていた。ランチは予約が出来ないのだけど、座っているとすぐに入ることが出来た。
店内は、あくまでピッツェリアらしくとてもカジュアル。店員さんは活気があり、とても親切。どのピザを食べるか迷って、「あなたはどのピザが好きですか?」と聞いたら、「僕が誕生日だったら、このEXマルゲリータと…」という風に真剣に答えてくれた。
正直、あまり期待していなかったのだけど…
びっくりするくらい美味しかったのです!
特に、水牛のモッツァレラを使った『EXマルゲリータ』は、驚きの美味しさ!モッツァレラが濃くて、トマトソースがうまくて、生地が本当にナポリで食べたうまさなのだ。(普通のマルゲリータもあります)
窯のそばにはでっかい人が立っていて、とても丁寧にピザを取り出しては、回してまた窯の中に入れて焼き加減を見ている。
それと、カメリエーレの男の子が超タイプで、とても気さくに話してくれるのでワインを何杯も飲んでしまった。(Kが睨んでいました…)
そして特筆すべきはワイン。シチリアのワインを多く扱っているようだけど、ハウスワインがきちんと美味しいのだ。
造花とかない方がいいのに…と思いつつも、この店を大好きになってしまったのは、シェフもスタッフも、みんながここのピザとこのお店を愛しているのが伝わって来るからだろう。
日曜の昼間、家族連れや友人同士のお客さんたちもみんなが笑顔で、ここのピザとこの店を愛しているのが伝わってくるのだ。
恐るべし、福岡。こんなにうまいピザ屋さんがあるなんて、早く行けばよかった…。
また、あのかわいいカメリエーレに会いに行きたいな…。
★ピッツェリア ダ ガエターノ
092-986-8822
福岡県福岡市中央区渡辺通り2-7-14 パグ​ーロ薬院1階
http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40028105/