PRIDE。

朝、銀座線で通勤している時に、ふと少し前に立つ若者に目が止まった。
20代はじめだろうか。澄んだ瞳。はち切れんばかりの若い体躯。金城武の若い頃のような精悍な顔立ち・・・。
「若いって、それだけでものすごい価値だよなあ・・・」と何気なく見つめていると、ふと左腕の手首に目が釘付けになった。
それは、レインボーカラーのゴムのリストバンドだったのだ。
もしかしたら7色のただの虹色かもと思い、注意深く色数を数えようと見ると・・・ゴムのリストバンドには『PRIDE』の文字が刻印されていた。これは数えるまでもなく6色のレインボーカラーに違いない・・・。
服装は、クールビズ的な半袖に長ズボンだけど、背中に大きめのリュックを背負っていて、水筒も着いている。もしかしたら外国人(台湾人とか台湾系アメリカ人)かもしれない・・・などと思いながら、目をそらせずにいた。
あと二駅で新橋に着いてしまう・・・その前に、何か話しかけたい・・・
でも、なんて話しかけたらいいんだろう?
「それ、いいですね!」と言って、リストバンドを指差す・・・
「cool!」と言って、わかっているんだよ的なアプローチをしてみる・・・
 
金城武がおもむろにタオルで汗を拭く姿を見ながら、
「ああ、あのタオルになりたい・・・」などと妄想しながら、胸は千々に乱れ、気がつくと新橋に電車は突進していた。
心穏やかではいられない、夏の朝。
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