夜間飛行

もしもこの日曜日の夜お時間があるならば、青山のスパイラルホールに、『夜間飛行』を観に行かれてはいかがだろう。
ほとんどの作品が、シネマート新宿とスパイラルホールでの1回ずつの上映である中(シネマート新宿での上映は、先週で終わっている)、この韓国の映画『夜間飛行』は、スパイラルで2回上映されるのだ。
韓国の『イ=ソン・ヒイル監督』の映画は、僕も何本か観ているのだけど、一昨年のクイア映画祭でこの監督の中編映画を3本を特集していて、その3本がどれも真珠のように素晴らしかったのだ。
そして今回の『夜間飛行』は、甘酸っぱい青春時代をギュっと閉じ込めた素晴らしい一本だった。
中学校の頃は親友だった3人は、高校になり離れ離れになり、一人は優等生、一人はいじめられっ子、そして一人は不良のリーダー格になっている…。
韓国の厳しい受験戦争と、ゲイであることなど公には認められない保守的な社会の中で、主人公がもがき苦しみながら、自分の恋にまっすぐに突き進もうとする映画。
汗ばむような湿度の高いアジアの情感をたっぷりと封じ込めた映画。韓国の映画らしい暴力シーンもあるが、何よりも、主演の二人がハンサムで美しく、官能的だ。
映画を観終わって、しばし僕は放心状態のようになってしまった。きっと映画の中の二人に、恋をしてしまったのだろう。
彼らをもう一度観るために、またスパイラルホールの最終回に行こうかと、今も迷っているくらいだ。
★第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭http://tokyo-lgff.org/2015/

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