ふたりで食べるカップラーメン。

九州をKと旅行をしていると、美味しい和食を食べて、適当に飲んだ後、ラーメン屋さんに行くことがある。Kは大食いなので、夜中にお腹がすくようなのだ。
僕は、東京で過ごしている時は、まず滅多にラーメン屋さんに入ることはないのだけど、Kとふたりだと、そんなB級グルメを地方で楽しむのもいいものだと思っている。
行きたいラーメン屋さんが閉まっていたり混んでいたりする時は、途中コンビニに寄って買い物をして帰る。
Kは、寿司屋さんや割烹料理屋さんでは、僕の後ろに隠れて大人しくしているのに、コンビニに入るとイキイキとして、まるで自分の領土のように籠を持ち出し買い物をする。
ラーメン屋さんに行けなかった時は、ふたりでカップラーメンを買うことがある。その地方にしかないものを探して食べてみるのだ。
ホテルに帰ると、Kはキビキビと動き出して、お湯を沸かし、カップラーメンを作ってくれる。Kが粉末スープや薬味を綺麗に入れて、お湯を入れたらタイムを計るのは僕の仕事。
出来上がると、Kは蓋を開けて、中をかき混ぜて、僕に差し出す。まるでラーメン屋さんのように。
酔っ払ってホテルに帰ってきた後、ふたりで食べるカップラーメンは、とても美味しい。
ふたりでカップラーメンを食べていると、小さな幸せが、今そこにあるのがわかる。