旅のはじまり。

今回、デルタ航空にしたのは、ポートランドと成田の直行便が飛んでいたから。夕方のニューヨーク行きの便に乗り込むと、アメリカの航空会社はつくづく第3世界の航空会社のように思える。登場人物は…
A. イブサンローラン
僕の右隣は、ジャケットにメガネをかけたイブサンローランのような白人が座っている。
濡れたおしぼりが配られたら、自分の手を拭いて、顔を拭いて、そのあとシートのテーブルを拭いて、モニターも何もかも拭いていた。食事は別にベジタリアンのようなものが運ばれてきた。
★『神経質なオカマ』だと思っていた。

とてもお行儀の良い人なのだとわかった。トイレに立つ時も、スマイルを欠かさないし、通路ですれ違っても「私は貴方のことをわかってるわ」的な頷くようなスマイル。
B. ピアニスト
通路を挟んで左の日本人の40代くらいの女性は、乗ってきてからスマホで会話をしていて、搭乗口が閉まってもずっと話をしていた。隣の外人と英語で話しているのを聞くと、ピアニストだということがわかった。
★「電話ばかりかけて迷惑な女だなあ…」と思っていた。

飛行機の中で眠らずにずっと語学の勉強をしていた姿を見て思い直した。『周りを気にしない熱血ピアニスト』なのだ。きっと。
C. フラワーチルドレン
左斜め前は、30代はじめの浅黒い背の高いブラジル人のような男と、白人のぽっちゃりした女、3歳くらいの子どもがいる。30分おきくらいに女がシートの肘掛けに立ち上がり荷物を取り出し、床に子どもと寝転がっている。
★煩い家族だと思ってた。

世界には、規則に縛られない人たちがいるのだ。そもそも、僕が彼らをジャッジする必要などないのだ。(飛行機の中では安全性が気になるけど)、彼らは深く愛し合っている家族なのだろう。椅子の上よりも床に寝るのが好きなのだ。
日本で暮らしていると、人に迷惑をかけないことが暗黙のうちに常に求められるし、それによって無意識に他人を推し量ろうとしていた自分がいる。
人はみんな違うのだ。
目の前に立ち現れる事象には、恐らく、それ自体に意味などないのだろう。
そこにあるのは、それをどう捉えるかがあるだけだ。
そんなこんなで、ニューヨークに着きました!
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