同性パートナー条例法。

渋谷区が、同性カップルに『結婚に相当する関係』を認める証明書の発行を、この3月に可決するかもしれないというニュースがここ数日渦巻いている。
この条例自体は、渋谷区区議会議員の長谷部健さんが言い出したことで、それに同じ区議の岡田麻里さんなどの意見もあり、数年をかけて現実化しようとしているようだ。
そしてそこにいきつくまでに、僕の弟的存在のFの数年間に渡る地道な努力、妹的存在のG、そして周りの友人たちみんなの活動が、こういった条例の具現化に向けた力になったのだと思う。
昨夜もGと食事をしていて、本当は他の案件で会っていたのだけど、話はすぐに渋谷区の『同性パートナー条例法』の話になった。
今現在、この条例が成立することを快く思っていない人たちがどうやら沢山いるようで、いったいどうしたらこの条例が通り、そして次の目標へと進んでいけるのだろうかと。
「YAHOO!ニュース」の意識調査を見ると、この条例を歓迎する人は55.4%、歓迎しない人は44.6%だそうだ。(2/20時点)。
僕が思っている以上に、歓迎しない人が多いことが気になった。その理由が知りたくて、幾つか投稿を拾い読みした限りでは、さまざまな意見があることを知った。
「結婚というものは男女がするもの。それによって子どもが生まれ子孫が繁栄するのだから」
「少子化が進む」
「ゲイとか、気持ち悪い」
「僕の周りにはいない」
これらの、歓迎しないという理由をよくよく紐解いていくと、そのほとんどが結局のところ「LGBTのことを知らない」ということと、環境や教育によって、「勝手に刷り込まれてしまったストーリー」を信じているだけなのだと思いいたった。
知らないものは、理解できない。知らないものは、怖い。知らないものは、受け入れることができないのだと思う…。
そこで、妹のGと、僕たちのやるべきことを話し合った。
必要なことは、この条例をわかりやすく伝えることなのかもしれない。同性パートナー条例によって、セクシャルマイノリティの生活にどんなことがもたらされるのか。(それは、ストレートの人たちの権利を脅かすものではないということも含めて)
そして、LGBTとはなんなのか?病気や、後天的になるものではないということ。この条例が通ったからといって、ゲイやビアンがこの国に増えるものではないということも含めて(笑)、知らしめていく必要があるのかもしれないと思ったのだ。
つづく
★渋谷区応援!みんなにやさしい日本を目指して、『同性パートナーシップ証明書』を実現してください!
https://www.change.org/p/%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA-%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA%E5%BF%9C%E6%8F%B4-%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%84%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E7%9B%AE%E6%8C%87%E3%81%97%E3%81%A6-%E5%90%8C%E6%80%A7%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E8%A8%BC%E6%98%8E%E6%9B%B8-%E3%82%92%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=99149190&utm_source=share_petition&utm_medium=email&utm_campaign=share_email_responsive

天才たちの日課

朝は6時に起きて、家中を歩き回り、窓を開けたり、そこらへんにある箱の中身を見て回ったり、本をあちこち移動させたりしながら、朝7時には起こしても怒らない人間に慎重に電話をかけるフェリーニ。
ガーシュインは、インスピレーションは信じなかった。そんなものが来るのを待っていたら、年にせいぜい三曲しか作れないと言って、毎日こつこつ仕事をするのを好んだ。
夜明けとともに起きて正午まで絵を描き、昼食をとり、午後から夜まで長い飲み騒ぎをして、その後友人たちを自宅に誘い、眠りにつくために古い料理本に目を通すフランシス・ベーコン。
ベットの上やソファの上でいつも横になりながら本を書くカポーティは、タバコの吸殻を3本以上灰皿に入れなかったり、数字が並んでいると足し算をせずにはいられなかった。
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天才と呼ばれる人の中には、時間を無駄にせず、自信喪失することもなく、自分の仕事に没頭して後世に遺る偉業を成し遂げる人がいる。
また、時間を浪費したり、インスピレーションが湧くのを待ったり、スランプを経験し、もがき苦しみながら素晴らしい作品を遺す人もいる。
そして一番興味深いのは、日々仕事に励みながらも自分に自信がなく、迷い、不安になりながら、なんとか生きている人たちもたくさんいることだ。
この本は、過去の参考文献を集めることで、偉人たちがどんな毎日を送っていたのかを仄かに浮かび上がらせている。
その姿はまるで、僕たちの隣人のようでもある。
★天才たちの日課 メイソン・カリー著

スタジャン。

その昔、二丁目のバーで飲んでいて、赤ワインを全身にかけられたことがある。
「この、クソ女!」という罵声とともに、ワインボトルごとぶっかけられた僕を思い浮かべた方もいるかもしれない(まるで映画『疑惑』のように)。
でもそうではなくて、酔った友人がつまづいた時に、友人が持っていたグラスになみなみと入った赤ワインが僕の全身に浴びせかけられたのだ。
その時に着ていたのがこの写真のスタジャンで、ボディの部分は紺色なのだけど、白い腕の部分は柔らかい山羊革で出来ている。
さすがにこれは、クリーニング屋さんでも落ちないだろうな…と思ったけど、ISETANのメンズ館8階ウォータークリーニングに持って行った。担当者は、紫色にまだらになったスタジャンを眺めながら、とにかく現場の者と相談してみます。と言った。
数日後、担当者からお電話いただいたのだけど、
「袖の山羊革の部分は綺麗に染色をし直して、ボディの部分は落とせると思います。お値段は3万円です(正確には3万に近い金額)」と言われた。シミ抜きに3万円?と思ったのだけど、この『beautiful people』のスタジャンを僕はとても気に入っていたので、そのままお願いした。
数週間後、ワインをかけられたことなどまるでわからない状態のスタジャンが出来上がり、改めて『ウオータークリーニング』の凄さを思い知ったのだった。(最近、修理とかシミ抜きとか、ばばあネタが続いていますね・・・)
このスタジャンを着ていると、なぜか時々「かわいいですね」「今日は野郎っぽいですね」などと声をかけられる(いつもはどうなんだろう?)。スタジャンは、『男の子っぽさ』をぎゅっと凝縮したようなアイテムなのかもしれない。
少しずつ季節が春へ向かうこの時期に、僕はよくこのスタジャンを着る。スタジャンを着ると、ちょっとワクワクする。
※スタジャンを選ぶ基準は、アームが細く、身幅もタイトなものがよいと思う。本物のスタジャンを着てしまうと、ただの体育会系熱血おじさんになってしまうから。

ラブストーリーズ(コナーの涙)(エリナーの愛情)

テレンス・マリックの名作『ツリー・オブ・ライフ』で鮮烈なデビューを果たした女優ジェシカ・チャステインが出ている恋愛映画と聞いて張り切って出かけたら、なんと二本立てだったのです。
ジェシカ・チャステインとXMENのジェームズ・マカヴォイが夫婦役で、物語は二人の恋愛をジェシカの視点バージョン(エリナーの愛情)、そして、ジェームズの視点バージョン(コナーの涙)という別々の映画になっている。
ニューヨークで幸福な恋愛で結ばれ結婚をするふたりは、やがてある出来事をきっかけに関係が変わってしまう。映画は、なんとかしようと精一杯にもがき続ける、まったく違う人間にそれぞれ焦点を当てている。
まるで、小説を読んでいるような不思議な感覚でストーリーを追い続けたのだけど、面白いことは、ふたりが言うセリフや見えている状況が、ほんの少し違っているところだ。
出来事にはきっとひとつの真実などなくて、それをどう捉えるかによって見え方が違ってくるものなのだろう。
よく物事の捉え方の違いを、男の考え方と女の考え方の違いなどと解説している例も多いようだけど、僕自身は、男女の差異よりも個人の差異の方が遥かに大きいように感じている。
この映画も、男女の考え方の違いなどという単純なものではなく、それぞれのパーソナリティーであり、生き方や考え方の違いなのだと思って興味深く僕は観ることが出来た。
映画としては、凄い感動作というものではまったくない。でも、小説を読むのが好きな人なら、物語の中に入って心地よい時間を過ごせるかもしれない。
僕は、エリナーの気持ちや行動がなかなか理解出来なかった。どちらかというと、僕はコナーに似ているのだと思う。あなたは、どちらだろうか?
脇役も、ウイリアム・ハート、イザベル・ユペール、ヴィオラ・デイヴィス…凄まじい名優ばかりだ…
★ラブストーリーズ(コナーの涙)(エリナーの愛情)http://bitters.co.jp/lovestories/

はじまりのうた

『ONCEダブリンの街角で』の監督が、ニューヨークを舞台にロマンチックな映画を撮ったということで、楽しみに新宿ピカデリーに観に行った。
主演は、今をときめくキーラ・ナイトレイそしてキッズ・オールライトのマーク・ラファロ。恋人役にマルーン5のボーカリストアダム・レヴィーンや名優キャサリン・キーナーが出ているということで期待もマックスに。
見知らぬ街NYで恋人も何もかも失ったグレタが、さばざまな人と出会い、歌うことによって少しずつまた自分を取り戻してゆく話。
この映画のために猛特訓したというキーラ・ナイトレイの歌が素晴らしい。彼女は今、世界で一番美しい女優の一人ではないだろうか?上品な顔立ちなので、NYの売れないミュージシャンという設定や、ロウアー・イーストサイドの変遷を遂げてゆく背景に合わないような気がしていたけど、髪型から洋服、やさぐれた雰囲気まで演技で魅せてくれた。
音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)は、相変わらず真珠のように輝いている。この人、出て来た時はいつも、「なんだろ?このむさ苦しいおっさんは・・・」と思うのだけど、映画の終わりの方では不思議な魅力に引き込まれていつのまにか好きになってしまう特異な役者だ。
映画の中で、グレタとダンが、シナトラなどの曲をバックに、ニューヨークの町中を歩き回るシーンがある。監督は、このシーンを撮るために、この映画を作ったのかもな…と思わせてくれる、音楽に対する尊敬と慈愛に満ちた美しいシーンだ。
友達同士や恋人と行くにはうってつけの、観た後に清々しい気持ちになれる映画。
★はじまりのうたhttp://hajimarinouta.com

ひろしさんがパタヤから帰ってきた。

ぺんぺん草のドアを開けると、いつもより人が多く、そのうちに狭い店は満員になり、後ろに立つようになった。
2週間あまりタイのパタヤに旅行に行っていたひろしさんが帰ってくる日を、どうやら常連たちは待ちに待っていたようだ。みんなが代わる代わるひろしさんに何か話しかける。
素敵な出会いはあったのか?
お金で男を買いまくったのか?
どうせエッチな店に入り浸っていたのではないか?
今年の衣装は買えたのか?
タイのパタヤは、僕の中ではドバイ、バンコクと並ぶ、世界で最も嫌いな町の一つだ。そのパタヤにひろしさんが行くと言いだしてから、僕はずっと反対し続けて、他の島に行くようにすすめていたのだ。
僕「で、どうだったの?パタヤ。好きになった?」
ひろし「私はもう、あそこはいいわ…」
パタヤに行ったことがある人ならば、ひろしさんの言いたいことはわかると思う。世界の汚いものを小さな町にぎゅっと集めたような町なのだから。
ひろし「Tiffanyが凄かったのよ!あんた行ったことある?」
僕「パタヤに宝飾店なんてないでしょ?」
ひろし「バカねあんた。それがすこい所なのよ。
バイオリンの子が凄くてね。若い子が出てきてまっ裸でスカートだけ履いてるの。その子がバイオリンを弾くのだけど、こっちに歩いて来て弾いてると、風が下からフワーッて舞い上がって、スカートがめくれ上がるんだけど、凄い大きなおちんちんが勃起してるのよ!」
「バイオリン弾きながら、風でフワーッフワーッなのよ。下はすんごい勃起していて、私、もう、何がなんだかわからなくて目が釘付けだったわ…フワーッフワーッ」
僕は大笑いしながら、「それにしても、ぺんぺん草って本当にくだらないお店だわ…」そう思いながら、幸せな気持ちで帰ったのでした。
フワーッフワーッ…
ちょっと見てみたい気もする…

小さな春。

得意先から会社に戻ると、
入社3年目の後輩が声をかけてきた。
「Tさん、バレンタインなので、これを」
袋を開けてみると、
見たこともない八重の桜が入っていた。
僕が、甘いものを食べないことを知っていて、
この桜を選んでくれたのだろう。
仄かなピンク色の花びらは、幾重にも重なり、
開きかけの蕾はふんわりと温かい。
小さな春が、やって来ました。

fanni lemmermayer

ファンニ・レマメイヤーは、1877年創業のウイーンの老舗ニットメーカー。鮮やかで多彩な彩りのアルパカのセーターは、僕ももう20年くらい愛用しているだろうか。
このニットの良い点は、生地が厚すぎないため、夏を除き年間を通じて活躍してくれるところ。カジュアルにも、ジャケットの下にも着れるデザイン。また、カーディガンなので着脱が容易であるため、飛行機に乗る時なども便利だし、脱いでもかさばらないところ。そしてなによりも、このカーディガンを着ていると、人の印象に残るようだ。
このカーディガンは、僕の一つのトレードマークのようにもなっていて、鮮やかなレインボーカラーは、19色もある。このブランドはこの色彩豊かな糸を、世界一多様に持っているとも言われている。
一つ弱点をあげるとすると、ニットが少し起毛しているため、注意していないと尖ったものなどにひっかかることがあるということ。僕も長く着ている間に左腕の後ろをひっかけてしまい、色と色の境目が4センチくらい開いて、先日修理にお願いしていた。
大阪のニットの修理専門店から電話がかかって来て言われたことは、「ここは、顕微鏡で見ながらひとつひとつ繕っていくので、そうですね・・・それをすると8000円かかります・・・」「もっと簡単に仕上げることもできますが、どうなさいますか?」
そう言われて、8000円の修理をお願いしたのだけど、他に飛び出ている所や送料も含めたら13000円もかかってしまい、「これなら新しい別のニットも買えたなあ・・・」という思いが頭の中をかすめた。
修理がようやく出来上がり、届いた包みを開けて見ると、驚いたことに、どこを直したのかまったくわからないくらい綺麗になっていた。
気に入った洋服を、長い間ずっと着続けることが出来るということは、幸福なことだと思う。
僕がいつか60才になった時でも、今と同じようにこの気狂いみたいなカーディガンを着ていられますように・・・。
★山田洋服株式会社(修理)http://www.onaoshiya.net

ありもしないものを、探しにいこう。

昔、Jは飛鳥のクルーズに乗って、3人で洋上セミナーの講師をしていた。Jの他には、AとB。
船上で3人の講師は仲良くなり、船旅の途中、香港に立ち寄ることになった。そこで3人は、お世話になった女性Xに香港で贈り物をしようと思い、Xに「一番好きな花はなんですか?」と聞いたところ、その女性は、「たんぽぽ」と答えたそうだ。
3人は、「なんとかたんぽぽを探して、Xにプレゼントしたい」と思ったのだけど、香港には50回以上行っているBは、「香港ではたんぽぽは見たことも聞いたこともないし、どこを探したってたんぽぽなんか咲いていないよ。そんなの探しても無駄だから、俺は船に残る」と言った。
そこでJは、「ちょっと待ってください。たんぽぽはないかもしれないけど、僕は探しに行ってみます」と言った。そしてAもそれに従った。ふたりは、ありもしないと言われているものを探す旅に出たのだ。
JとAは、香港の混み入った町中を、たんぽぽを探すために下ばかり見ながら歩き回ったそうだ。およそ観光では行かないような汚い路地の奥の方とか、誰も歩かない細い道とか・・・
歩けけども歩けども、たんぽぽらしきものはBの言っていた通り見つからず、ふたりは途中で話して計画を変更することにした。「たんぽぽの絵柄のブラウスとか、Tシャツとか、ブローチとか、イヤリングならあるかもしれない・・・」
ふたりは今度は町中の店と言う店を歩き回り、聞き回った。「たんぽぽの柄のものはありますか?」
陽も傾きかかり、ふたりはついに思い至った。「香港には、おそらくたんぽぽの柄のものはどんなものであれないだろう・・・」と。
肩を落とし、ふたりが船の方に歩きはじめた時に大きなホテルが目に入った。そこでふたりは、なんとなく回り道をしてあっちを歩いてみよう・・・と思い、道を外れてホテルの方に歩いて行ったそうだ。
角を曲がると、道ばたに、たんぽぽが咲いていた。
そのたんぽぽは、あろうことか、船のすぐそばに咲いていたのだ。
もし、たんぽぽを探しに行かなかったら、JとAは、『たんぽぽを探さなければわからない香港を知ることはなかった』し、『たんぽぽを探していないとわからないショッピングを体験できなかった』のだ。
そして何よりもその旅行で、JとAはふたりで『会社を立ち上げる決心をした』
どんな会社にするのか、いったい何で収益を上げていくのかもわからなかったのだけれども、『ありもしないものを探しにいく』ようなふたりには、なんの怖れも不安もなかったそうだ。
やがてふたりの会社は、大きな成功をなしとげることになる。
聖書に何十回となく繰り返し出てくる言葉がある。
『探せば、見いだす』
※このストーリーは、僕が参加したセミナーで講師から聞いた話を、僕が記憶の限りに書き出したものです<つづく>

ゲイバーに入ること。

実は昔、ゲイバーに入っていたことがある。
入っていたと言っても、お金をもらってアルバイトをしたわけではなくて、マスターも誰も入れないような時に、お手伝いを頼まれて入っていた。
ぺんぺん草はお客さんを集めて劇団もやっていて、毎年12月の第1週目の週末に公演があるのだけど、ひろしさんがバリ島で次の芝居の台本を書くという名目で1月の終わりに長期の留守をする。
当時、僕はまだ20代前半だったのだけど、ほとんどのお客さんを知っていたのと、「あんたならみんなが怖がるから大丈夫…」というわけのわからない理由からだったと思う。
実際にゲイバーに入ってみると、自分が客で来ていた目線とは全然違って、お客さんの顔を真正面から見ることになる。よく知っていると思っていたお客さんも、お店の中と外で接するとまた違った表情をしていることがわかるし、普段あまり話せなかった人とも店の人ということで話すことができて、今思うととても楽しい経験だった。
ごくたまに、全く知らない年配のお客さんがやって来て、ぽつんと座ってしばらく会話をするのだけど全然帰る気配がなくて、会話もいやらしい感じになってきて…他のお客さんも途絶えてしまって…そのうち襲いかかってきたらどうしよう・・・と友達に電話して来てもらったこともあった。(当時はまだ若かったので…^_^;)
その逆もあって、前からタイプだなぁと思っていた人が来ると、無理やり沢山飲ませて、酔っ払った勢いでちょっとエッチなことをしたりもした(笑)。
久しぶりにぺんぺん草を覗くと、ひろしさんのいない最終日で、常連のお客さんが入っていた。ワンコインでお酒を飲みながら、昔はよくこの店に入ったなぁと、色々な出来事を懐かしく思い出した。
今でも時々、またゲイバーに入ってみたいなあ…と思うのだけど、今となっては、なぜだかどこのお店も僕を入れてはくれない…