70歳のゲイライフ。

久しぶりに『ぺんぺん草』に行ったら、70歳の有名人Pがいて、その後、『九州男』のマスターだったM67歳、その友達の75歳くらいの友人A、そしてぺんぺんのひろしさん68歳という、高齢者ゲイの集まりになった。
映画の話、歌舞伎の話、舞台の話、宝塚の話、僕の知らない昔の女優さんたちの話で盛り上がっていたのだけど、話はやがてセックスの話に…
ひろしさん
「あんたたち、前立腺癌にならないためには、精液はとにかく出した方がいいんだって。でないと身体の中で溜まって、前立腺癌になっちゃうんだってよ!セックスでもマスターベーションでもいいから、とにかく出しなさい!」
P「あたし、やり方ももうとっくの昔に、忘れちゃったわ…」
M「Aはいいわよねー。かわいい恋人がいて!」
A「あたし、恋人がいるけど、セックスよりも自分でやるのが好きなの…」
ある程度年をとると、いつか性欲なんて薄くなってしまうのかと思っていた。でもどうやら、そうではないみたい…
アラウンド70歳のゲイの人たちを見ながら、大笑いした夜でした。

誘惑。

僕が東京で行っているジムの支店が福岡にもあって、福岡に行った時にはたまにKと一緒にジムに行くことがある。
Kはまるで僕をパーソナルトレーナーのように扱うので、僕自身は何にも出来ないのだけど…。帰りのフライトが9時だったので、ランチの後に映画まで時間が空いたのでジムに行った。
ウエアに着替えた後に洗面所で歯磨きをしていたのだけど、そこへ、30代前半の程よく筋肉のついた男がシャワーの後にブリーフ一枚で現れた。
僕は鏡越しに歯を磨きながら見ていたのだけど、腹筋は割れた上にうっすら脂肪がついた感じ。言うなれば、学生の頃体操部にいました…的な。
目が一重で色が白くスッキリとした顔立ち(タイプ)。僕の胸の中では大蛇が渦巻き自分でも制御できないくらいバクバク鳴っていた。
すると、髪をドライヤーで乾かしていた体操部は、おもむろにブリーフの前の部分を左手で下げて、自分の局部にドライヤーを当て始めた…シャーッ!
僕の目は、鏡越しに彼の局部に釘付けのまま、体操部は少しガニ股でアイロンを上下に動かし続けた。シャーッシャーッ!
僕が目を離せなかったのは、彼のものが大きかったのと、亀頭に金属が見えたからなのだけど、それはまるで時間が止まったかのように長く感じられ、ハッと我に帰ると、横でKが冷ややかな目で僕を見ていた…。
世界は、誘惑に満ちている。

ジミー、野を駆ける伝説

イギリスの名匠ケン・ローチによる最後の作品か?とも言われている『ジミー、野を駆ける伝説』は、とても地味だけど、ケン・ローチらしい映画だった。
ケン・ローチは、僕の知っている限り一貫してLabour(労働者)を描いている。労働者に寄り添い、労働者の生きざま、その誠実さや実直さに焦点を当てている。
今回の作品は、パルムドールを受賞した『麦の穂をゆらす風』や、『エリックを探して』『天使の一滴』などと比べると映画としてはちょっと緩いかもしれない。隣で観ていたKには、少し退屈に感じられたようだ。
映画は、アイルランドが舞台となっている。イングランドとの間で争いが絶えず、常にイングランドに翻弄されて来た歴史の中で、ジミーは貧しい人々の生活のために立ち上がり、力を合わせて教育、音楽、ダンスなどを労働者たちが楽しむことの出来るホールを建設する。
ジミーのまっすぐな生き方は人々の共感と尊敬を集め、やがてカソリックや権力者たちにとっても厄介な存在になってゆく…。
アイルランドの美しい自然の中で、すべてのシーンがまるで絵画のような美しさをたたえている。
78歳のケン・ローチは、人間の誠実さや実直さに光を当て、自分の利益ではなく人のために生きようとする姿を追い続けていた。
★ジミー、野を駆ける伝説http://www.jimmy-densetsu.jp/index.php

握り心 山ぼうし

フグの煮こごり

のれそれ

前述の記事の、ご夫婦でやっている素晴らしいお寿司屋さん(笑)。
キャビネットなどの赤い色がアクセントになり、お店はご夫婦でやっているからか、話しやすく温かい雰囲気が流れている。
菜の花の汲み上げ湯葉和え、ツブ貝、卵焼きなどの美味しいつまみ4種が出され、その後は、
鯨の畝。そして、イカ、貝類、マグロ、鯛の昆布締め、タコ、ウチワエビという豪華な刺身の盛り合わせ。
フグとフグの白子の贅沢な煮こごり、のれそれ、鮑の塩蒸し(今まで食べた鮑の中で、最も柔らかい鮑だった)、そして特製茶碗蒸しと続く頃には、食材の多さ、手の混みようにお腹が満たされてゆき、握りへ…。
大将は、東京の台東区生まれ。東京のすし屋さんで修行された後、九州の支店を任され、鹿児島で自分のすし屋を開業した後、福岡の西中洲に今の店を構えることに。
江戸前の鮨の技を余すところなく使い、お客さんに丁寧に食材や仕込みの話をしてくれる。
女将さんはとてもやさしく、雰囲気のある人だ。
つまみから握りまで色々出されて、一人15000円くらい。沢山の食材を使いこれでもか!というくらいの量がある。
ゲイのカップルの場合は、前述の記事に書いたように、ふたりの関係を決めてから行った方がいいかもしれない。^^;
★握り心 山ぼうしhttp://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40004475/

16才違いの男同士?

ご夫婦でやっているお寿司屋さんの大将は、カウンターに着くなり僕に名刺を差し出した。そして、流れから僕も名刺をお渡しすることに。
大将は僕の名刺を見て、「オタクの会社の方はお世話になっております。福岡の会社も、東京の会社も」と言った後、Kに、「同じ会社の方ですか?」と聞いた。
Kは、慌てて「いえ、違うんです」と答えると、「ではどんなお仕事を?」と聞かれ、「大分の病院で働いてます」と答えたのだけど、大将にしてみたら東京と大分に別々に住んでいて仕事も全く違う男同士二人(しかも年齢が16も違う)が、なぜ一緒に寿司屋に来ているのか、どうしても気になっていたようだ。
美味しいお寿司が滞りなく終わって、デザートになった時に僕は洗面所に立った。帰ってくるとKが微妙な顔をしていて僕のスマホのLINEを見ろと合図した。LINEにはKから、「ただしくん、僕の従兄弟で、お父さんが本家に婿養子に来たことにした」と書いてある…???
どうやら僕のいない間に、「お二人はいったいどういうご関係なんですか?」と、大将はまた斬り込んで来たらしい。きっとずっと気になっていたのだろう。
そしてKは、「僕たち、従兄弟同士なんです」と答えたそうだ。
そしたら大将は、「でも、なんで姓がちがうんですか?」と聞いたそうだ。(するどい!)
Kはそこで、「ただしさんのお父さんが婿養子に来たんです」と、即答したらしい…。
事の次第をなかなか呑み込めない僕は、それをLINEで読んで、なんだかとても複雑な関係の二人を演じなければならなくなったと思い、ちょっと笑ってしまった。
会計を済ませて外に出た後でKは、「ただしくんがトイレに立った隙に、絶対に僕に大将がふたりの関係を聞いてくると思ってたの…だから、ただしくんをトイレに行かせたくなかったけど、必死で考えてあったから大丈夫」と言った。
僕は、「何も僕のお父さんを、本家に婿養子にしなくてもよかったんじゃない?」と言うと、「でもそれが一番いいかと思って…その後離婚したことにしたから…」「え?離婚までさせちゃったの?」と聞く僕に、Kは笑って「うん」と言った。
僕たちのようなゲイのカップルは、レストランなどで時々こんな状況に晒されることがある。お店側は悪気がある訳ではなく、親しみを感じているからお客さんに聞いているだけなのだけど、初めて入った店で、他のお客さんもカウンターで静かにお寿司を食べているのに、
「僕たち実は、恋人同士なんです!」などといきなりカミングアウトするのも憚られる。
僕はこんな状況を、今回は面白いと思って聞いていたのだけど、保守的なKにしたら、かなりビクビクしていたようだ。
「今度どこかで何を聞かれてもいいように、僕たちの筋書きを決めてあげて!」と、僕に真剣に言った。

うどん 平

肉ごぼう天うどん

海老ごぼう天うどん

かしわ

タモリも通うという博多の有名うどん店『うどん 平』は、噂にたがわぬ素晴らしいうどん店だった。
12:30頃着いた時は、すでに20人くらいの行列が出来ていたのだけど、うどんということもあり思ったよりも早く店内に入ることが出来た。
『肉ごぼう天うどん』、『海老ごぼう天うどん』、かしわを注文。出汁はいりことアゴのいい香りがして、汁を飲むと全く甘さはなく、醤油に頼っていない澄んだ味がする。
肉うどんも、僕の好きな甘くない牛肉で、海老は小さめだけど生の海老をカリッと揚げてある。海老は早めに無くなるようで、Kの後にすぐに売り切れになった。
うどんは、讃岐のようなコシで勝負するうどんではなく、透き通り、断面は正方形ではなく長方形より。少し縮れが入りなんとも言えず美味しい。ごぼう天は、出汁に浸かると柔らかくなり出汁が沁み渡っている。
透き通る麺とスッキリとした出汁は、帰る頃にはまた博多に来たら食べに来たいと思わせる素晴らしいコンビネーションだった。
★うどん平http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40000480/

たんか

特製牛さがりと特製牛たんの串焼き

茹で牛たん

頑固オヤジの焼飯

Kが金曜日夕方まで仕事をして、大分から福岡へ来ると、9時半頃になってしまう。
幸い福岡には、夜10時からでも入れる美味しい店があって、B級グルメ担当のKが好きな店、『たんか』へ。
この店は、どんな時間に行っても満席なのだけどいつも食べるのは、『特製牛さがり串焼き』『特製牛たん焼き』。さがりは、牛の横隔膜らしいけど、脂身ではないのに柔らかさに驚かされる。牛たんは、厚めに切ってあるのだけど、噛みごたえがありふだん牛たんをあまり食べない僕でも食べられる。
新メニューと言うことで頼んだ『茹で牛たん』は、牛たんのくせに驚くほど柔らかくなっており、皿の上で箸でも簡単に切れるほど。
この店で特筆すべきは店員さんの素晴らしいサービス。店員さん同士が仲が良く、お客さんとのやりとりも愛が溢れている。それもこれも、大将の力なのだろう。〆には、頑固オヤジのこだわりの焼き飯と黄金の牛テールスープを。
美味しい肉をたっぷり食べて、お酒も飲んで、1人6000円くらいですむコスパも素晴らしい。
★たんかhttp://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40021035/

叔母からの電話。

午前中デスクにいると、75才になった叔母から電話があった。
「すっごく綺麗なお花が届いたわ!ただしちゃんありがとう!」
15日のお誕生日に届くように、ささやかなお花を送っておいたのだ。
叔母は、子どももいなく今は一人暮らし。少し気難しいところもあるので、親戚からは疎んじられている。僕が子どもの時から養子にしたいと言っていたこともあってか、僕には心を許しているところもある。
数年前に、iPad miniを送った時は、「こんなものまったく意味がない!」と言って怒ってしまい、暫くの間音信不通であったのだけど、最近はiPadの使い方を覚えはじめたようで、また機嫌がよくなっていてほっとした。
美容や全身美容の会社を経営していた叔母は、旦那さんに先立たれ今は一人になってしまったけれども、園芸、パソコンや英会話の習得、そして目の不自由な人のボランティアをしながら忙しく過ごしている。目の不自由な人が外出したい時に叔母が着いて行き、一人ではなかなか行きづらいような場所へ一緒に赴くらしい。
昔は、仕事一筋で厳しかった叔母が、今では表情も柔らかく、性格も温和になったように思うのは、きっと今まで知らなかったさまざまな世界の人に会っているからだと思う。
先日は八景島へ行って、牡蛎の浜焼きを一緒に食べたそうだ。
「その牡蛎がとても美味しかったのだけど、一緒に行った人よりも、おばさんの方が喜んでいたみたいなのよ・・・」
「ボランティアをしているつもりが、わたしが元気をもらっているの」
と言って、大きく笑った。

NEWS! (categories 出来ました!)

このブログは、僕の周りのささやかな毎日を記録しているだけなのですが、検索機能や目次がないため、過去の記事を遡ることがとても面倒くさかったのです。
そこで、「なんとかならないものでしょうか…?」と問い合わせたところ、カテゴリーを設ければ探しやすくなるとのこと。
しかし、2年以上経った750余りのすべての記事に、一つずつカテゴリーを編集し直さなければならず、頭がおかしくなりそうになりながらやっとの思いでカテゴリー分けをしました。
これで随分見つけやすくなったものの、そもそもカテゴリーが16もあるのもいかがなものか?と、すべて終えた後でため息をついて眺めていました。(それだけ僕の頭の中は支離滅裂なのでしょうか…)
※categoriesという項目をクリックすると、16個すべてのカテゴリーを見ることが出来ます。
※それぞれの記事の最後、post a commentの隣にカテゴリー名(gay, movie, travel, restaurant…など)がありますので、そこをクリックするとそのカテゴリー内の他の記事をまとめて見ることが出来ます。

豚しゃぶ。

冬の間、何度かテーブルに登る鍋は、うちの場合は『豚しゃぶ』だろうか。
毎日食べても飽きないことから『常夜鍋』と呼ばれているけど、『常夜鍋』の場合は、豚肉とほうれん草のみで、鍋のスープはお酒を水と同量で煮て食べたりする。(お酒のおかげで豚肉が程よく柔らかく仕上がると言われているが、肉の柔からさは茹でる温度と時間による)
僕は、鍋の後の〆が少しだけ食べたかったりするので、普通に水1ℓに対して昆布15gを2時間くらいつけておいた昆布だしでさっぱりといただくことが多い。(お酒が多いと、スープが甘くなり〆には向かない)
豚肉は好きな部位(豚肉は脂身に旨味があるのでバラ肉がおすすめだけど、僕は大抵肩ロース)を、男性なら一人分300gくらいを目安にしたらいいだろう。(うちのKは、一人で多分500は軽く食べてしまう)
野菜は、ほうれん草やちぢみほうれん草が王道だけど、ほうれん草は茹でた後に灰汁が出るので、〆には向かないと思う。
僕がよく食べるのは、『芹』か『クレソン』。
お正月を過ぎ、6日頃の小寒から20日頃の大寒、そして立春という一年でも一番寒い時期は、実は芹やクレソンがとても美味しい。凍えそうに寒い日でも、豚肉に芹、豆腐にしめじ、そして日本酒でもあれば言うことはない。
タレは、ポン酢、ゴマだれ、そしてごま油に塩をひとつまみに黒七味を用意する。ポン酢はさっぱりとしているけどすべてがポン酢味になってしまうので、ごま油に塩に黒七味は素材の味をきちんと味わうことが出来る。
〆は、スープの細かな屑をさらい、沸騰させてから鰹節を一掴み入れて5分くらいしたら鰹節を網ですくって出す。そこに薄口醤油を香りづけ程度に入れてお酒も同量くらい入れてみて、塩で味を見ながら調整する。素麺かうどんを茹でてスープを注ぎ、九条ねぎを散らす。
※もし、鍋をポン酢ではなくさっぱりといただきたい場合は、スープに味をつけてしまうといい。出汁800mlに対して、薄口醤油大さじ2、塩ひとつまみ、みりん大さじ1、酒大さじ1で、スープごと取って七味などを振り食べるのも美味しい。