パレードへようこそ

イギリスのゲイパレードがらみの映画がこの春上映されるというので、弟のようなFから試写会に行こうと言われ、予備知識もないまま出かけたら、ここ数年で最も心動かされた素晴らしいゲイ映画だったのです。
時代は1984年のサッチャー政権。長引く不況の中、サッチャーは20カ所の炭坑を閉鎖することに決め、炭坑は長期のストライキに入っていた。
ロンドンで暮らすゲイのコミュニティは、自分たちセクシャルマイノリティと同じように、巨大なサッチャー政権に痛めつけられている炭坑夫や家族たちのために立ち上がり、『LGSM(lesbians and gays support the miners)』というメッセージを立ち上げ、募金を集め始める。そして、集まった募金を炭坑に届けると、保守的なウエールズの村の人たちとの交流がはじまる・・・。
リトルダンサーを見ている人たちには想像できるだろうけど、その時代の保守的な炭坑夫たちのありようと、ゲイのありようはおよそ相容れないものだ。炭坑の村で暮らす人にとって、ゲイやレズビアンはきっと異星人のような者だろう。物語は、様々な登場人物の立場や性格を描き出しつつ、今までのゲイ映画では見られなかった炭坑夫たちとの交流の中で、次第に大きなテーマを映し出してゆく。
この映画は、実話をもとに作られている。ちょうどAIDSが流行りはじめていて、同性愛者への偏見が世界中に蔓延している時に、イギリスでは奇跡のような出来事が起こっていたのだ。
カルチャークラブ、フランキーゴウズトゥハリウッド、ザ・スミス・・・80年代に一斉を風靡したイギリス音楽のオンパレードは、彼らもゲイであるためより一層力強いメッセージとなって響き渡る。
そして、ビル・ナイ、イメルダ・スタウントンなど、素晴らしい俳優たちが脇をがっちり固めている。
観終わった後に、何とも言えない温かい感動に包まれるだろう。(ぜひ、感想をお聞かせください)
※4月上旬シネスイッチ銀座にて公開予定。
★パレードへようこそhttp://www.cetera.co.jp/pride/
カテゴリーgay

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