軍艦島へ。

午後から、軍艦島へ行ってみた。
軍艦島へは、長崎港から5つくらいツアーがあるので、事前に予約するか、キャンセル待ちを狙えば船に乗ることができる。
世界文化遺産への登録に申請している軍艦島は『端島』という名前で、長崎港から19キロの沖合にある。
南北480メートル東西160メートルという端島は、遠くから見ると軍艦『土佐』に似ていたことから『軍艦島』で親しまれてきた。
1810年に石炭が出ることがわかり、1974年にエネルギーが石炭から石油に代わり閉山に追い込まれたのだけど、最盛期にはこの小さな島に5300人が住んでいたという。
それは当時の東京の9倍の人口密度を誇り、各々の家にはテレビアンテナまであり、ちょっと特殊な世界だったに違いない。
上陸した軍艦島は、人間に忘れ去られた廃墟の跡だった。
その残骸から、当時の賑やかだった時代を想像することは出来るのだけど、圧倒的な時の流れや、炭鉱というエネルギーに翻弄された人間たちの行いを、少し引いた視点で感じることができる。
(建物がかなり老朽化していて危険性もあるため、世界遺産の登録に関わりなく、近いうちに見学も出来なくなるかもしれない)

『多ら福 亜紗』(長崎)

シマアジとウチワエビ

赤むつの塩焼き

長崎角煮のとろーりチーズパイ

2年ぶりに長崎に来た。
Kとつきあいだして間もない頃、新婚旅行のように訪れた長崎は、ふたりにとって思い出の町でもある。
大分から長崎までは電車でなんと4時間半かかる。東京から長崎へ行く方がずっと早いのだ。仕事を終えたKが23時に到着するのを待って、長崎の有名居酒屋『多ら福 亜紗』へ。
この店は再訪なのだけど、とにかくいつも人で賑わっている。シマアジとウチワエビの刺身を食べるとこの店の刺身の良さがわかる。
海老のすり身を揚げた『海老のロールハトシ』や、角煮をパイ生地の中に挟んだ『長崎角煮のとろーりチーズパイ』は、長崎ならではの食べものだろう。
日本酒を飲んだ後、昨日解禁になったボジョレーヌーボーをいただいた。
こんな風に様々な土地をふたりで旅行しながら、地元の美味しいものを食べて酒が飲める幸福に感謝した。
★多ら福 亜紗http://tabelog.com/nagasaki/A4201/A420101/42004997/

親を喪った友に。

若い友人が、2年前にお母様を亡くしていて、今でもその喪失感や痛みの中にいるという書き込みを読んだ。
たいせつな家族、友人、ペットを喪失した時に、人はどうやってそれを受け入れ、乗り越え、毎日を生きてゆくことが出来るだろうか。
その友人は、予期せぬ母親の死に、今までお節介だった母親をわざと遠ざけていた自分の行いを後悔していた。
もうどんなに頑張っても、二度と会えないということを何度も噛み締めていた。
友人たちの前で無理して明るく振る舞おうとしても、辛い時があったようだ。
やがて、その悲しみを素直に受け止めようと、もう無理して大丈夫なふりはしないように毎日を生きていたら、少しずつ母親を亡くした喪失感よりも、母親がいてくれたこと、頼れる人がいてくれたことの感謝の気持ちがわいてきたという。
僕は、一日中考えて、やっとコメントを書いた。
「僕も父を亡くした時は、自分の影や重力がなくなってしまった不思議な感じにとらわれました。時間が出来たら、何か美味しいものでも食べに行きましょう」
たいせつな人をなくした喪失感は、あまりにも個人的な出来事であり、他人が簡単に力になったり出来るものではないだろう。
でも人間は、その喪失感や痛みを想像することができる。
やがて、自分の力で立ち上がろうとする友人を、静かに見守ることはできるかもしれない。

ハンドクリームは、Aesop。

ハンドクリームは、Aesopを使っている。
Aesopのことは、前にもここで取り上げたけどhttp://jingumae.petit.cc/banana/2279128、オーストラリアのメルボルンで1987年に誕生した自然派化粧品ブランド。
会社のデスクの上に置いてあるのだけど、このハンドクリームを塗る時にそばに人がいると決まって、「ああいい匂い…」と言われ「アロマの部屋」と周りから笑われることがある。
様々な薬草やハーブを閉じ込めたような香りは、日本の薬メーカーにはない爽やかで大人っぽい香りだ。
同じオーストラリアの自然派ブランドのJuliqueのハンドクリームも素晴らしいのだけど、僕がこのAesopを使うのは、実際のところこの香りの効果が大きいことに他ならない。
ハンドクリームを塗るたびに、この素晴らしい香りをかいで、乾燥した心にも潤いを与えているのだ。

ハッピーバースデーひろしさん。

お酒を出して「お客さんカネだよ!カネ!」と叫んでるひろしさん

2丁目で36周年を迎えるお店『ぺんぺん草』のマスターひろしさんが、自称68歳の誕生日を迎えた。本人は、「この年になって誕生日なんて、なんでもないわ。気恥ずかしいだけ」と言っていたが、その気持ちは僕もよくわかる。
店には、偶然いつものように訪れたお客さんばかりで、誰も誕生日のことなど口にすることはなく、高倉健の訃報に話題は持ち切りだった。情報の真偽はわからないのだけど、高倉健は、我々の世界では公然のことのようにこちらの世界の人として有名だ。
ひろしさん「パリダカールラリーで、砂漠の中でやってた話が有名よ」
僕「え?砂漠の中でやったら・・・砂だらけになっちゃうじゃん!」
ひろしさん「馬鹿ね!砂漠のテントの中よ。大きな声が聞こえたんだって!」
話の流れは様々な往年のスターの話題に移ってゆく。
ひろしさん「平幹と仲代達矢と加藤剛は、当時三姉妹って言われていたのよ。」
僕「なんで三姉妹なの?」
ひろしさん「馬鹿ね。三人とも大おねえさんだからじゃないの!」
ひろしさん「当時、加藤剛が絶世の美男子だったのだけど、北海道ロケの時にこっそりと歌右衛門が加藤剛を食べようと思って北海道に行ったら、三島由紀夫も来ていて取り合いになったらしいわ・・・」
僕「恐すぎる・・」
なんだかお化け屋敷のような会話をしながら、こんな2丁目に心和む夜でした。

トロントへ行くことになりましたー。

「テルアビブに行ってみたいなあ・・・なにげにゲイの都って言われてるし・・・」
なんて、酔っぱらって遠い目をしながら友人に話していた。
しばらくしたら友人が、「ただしちゃん、今はテルアビブは置いておいて、トロントにしない?」と言って来た。
「なぜにトロント?」と聞くと、
「カナダのオンタリオ州が観光客を誘致したいから招いてくれるって言うの・・・だから、仕事してちょうだい!」
「面白そう!行く!行く!行く~♪」
ということで急遽、トロント→ナイアガラ→オタワ・・・
というオンタリオ州ツアーに行くことになりました。
観光局からは、クリスマスの飾り付けが終わってからにしてくれと言われたのだけど、12月初旬の最低気温は-5度らしい・・・
12月のトロントガイド、乞うご期待!

兄からの電話。

会社の携帯に兄からの着信が残っていた。
兄から電話があるなんて、1年に1回あるかないかだろうか・・・。僕たちは、仲の悪い兄弟ではなく、兄には子どもが3人もいてそれぞれ風邪引いた受験だ入学だ卒業だと、常に自分の家族のことだけで手一杯で忙しいからだ。
何かあったのかと夜に電話をしてみると、
兄「実は、歯があまりよくなくて、というか、正確に言うと歯茎がよくなくて、インプラントを入れないといけないみたいなんだ。お前、インプラントに関して詳しいかなと思って電話したんだけど・・・」
僕「僕はインプラントは1本もやったことないよ。歯茎もいい状態だけど、どうしたの?歯医者行ってなかったの?」
兄「歯医者には定期的に行っていたんだけど、その場しのぎの治療をするだけで、結局肝心の歯周病や歯茎の治療は後回しになっていたようなんだ・・・それも、新しい歯医者に行ってわかったことなんだけど・・・」
僕「お父さんが晩年歯が悪くて苦しんでいたけど、お兄ちゃんはお父さんに似たのかな・・・?」
兄「そうだな。お前は歯もしっかりしているところはお母さんに似たんだろうな・・・」
結局、インプラントは歯医者によっても様々で、兄がかかろうとしている所は1本30万からという価格を言われたらしい。それを何本もやって、歯茎の手術もしなければならないようで、かなり意気消沈しているのがわかる。自分の通っている歯医者がいい歯医者なのかどうか、評判を調べてくれと言うので、後ほど調べておくと言って電話を切った。
兄弟は、一番身近な存在でもある。小さな時からずっと一緒に暮らして来たのだ。その声を一言聞いただけで、調子がいいのか何か悩みがあるのかがわかるものだ。長男で、いつもは僕に弱みなど見せることなどない兄だけど、ほんのたまに、小さな頃のままの傷つきやすい兄をそっと見せる時がある。母はきっと、そんな子どもたちの姿を何度も見ていて、そのたびにやさしく守って来たのだと思う。
歯医者のことを調べて、メールを送ると、兄から返信が来た。
「ありがとう。お前も早く寝ろよ。おやすみなさい」
  
それはまるで、兄が隣で寝ているような、小さな頃のままの親密さがあった。

マッサージ。

疲れが溜まって取れないように感じる時に、たまにマッサージをしてもらう。
台北には、いつも行くマッサージ屋さんがあって信頼出来る先生もいるのだけど、東京では沢山マッサージする店はあっても、安さで選ぶと失敗したり、逆に高くて満足感もなかったり、なかなかここだ!というマッサージに出会うことがない。
そんな中で、僕が長年、赤坂で髪を切った後にお願いするマッサージ屋さん『THE CURES』に久しぶりに行ってみた。
先生は僕と同じくらいの年(45)で元気ハツラツとしている。昔、サラリーマンをやっていた時に腰を痛めて、整体に行ったら一発で治ったことに驚き、手業で人を治すことに興味を持ち、この世界に入ったそうだ。昔はボディビルをやっていたそうだけど、今は自転車やマラソンを主にやっている。
この先生の施術のいいところは、強くやって欲しいと言うと、最後まで手加減することなく強く揉み続けてくれるところ。そして、経路を押さえるポイントが的確なところ。
いつもは背中を中心にやってもらうのだけど、強揉みでありながら、気持ちよくなってしまい時々睡魔に襲われる。
マッサージが終わると、背骨が曲がっていたところや、特に強張っていたところ、身体全体のバランスを整えてくれたことを教えてもらう。家に帰り、ゆっくりと食事を食べてベットに入るとあっと言う間に眠りに堕ちた…
朝起きた時に、「こんなに寝たの、何年ぶりだろう…」と思うくらい、頭がすっきりとしていた。
★THE CUREShttp://www.geocities.jp/akasakacures/

汐留会。

汐留勤務のゲイが集まって、定期的に食事会をしているのだけど、それもかれこれ、6回目くらいだろうか。今回はB級グルメの店で、総勢16名の参加だった。
今までは、”社内ではノンケを貫き通していると勘違いしているオネエさんたち”が多かったので気を遣っていたのと、その黄色い雄叫びを恐れて個室や、隔離されたスペースで執り行われていたのだけど、今回は店に入ると、完全にノンケ飲み会のスペースに、片側を汐留会が占領する羽目に。
普通は周りは男女だったりするのだけど、16人男ばかり、しかもなんだか短髪ヒゲだらけというのは、冷静に見ると自衛隊か何かにしか見えない感じがした。
皆、それぞれ隣や向かいと話は弾み、Jack’dを一緒に覗き込んだり、どんなタイプが好きかとかセックスの話をしたり…そうかと思うと、端に座っていた若い子からは、裏声のような女子力高めの叫び声が何度も上がって店員さんを驚かせていた。
そんな光景を見ながら、周りはノンケのお客さんが沢山いる中、こうやってゲイが普通に気兼ねもなく好きな男の話や、セックスの話なんかをしているのは、なんて素敵なことだろうと思ったのでした。

新しいパーソナルトレーナー。

トレーニングを始めてから、4年が過ぎた。
近頃は、ジムに行って自分に負荷をかけることもなんだか張り合いがなく、週に3回だったペースが2回くらいに減っていた。筋肉は、毎日のように様々な部位を鍛えているボディビルダーでさえ、一年に2キロしか大きくならないのだ。怠惰な僕はどんなに頑張ったところで、一年に300gくらいがやっとのような気がする。ステーキ1枚分だ…。
そこで思い切ってパーソナルトレーナーを変えてみた。以前はレスリングのチャンピオンだったのだけど、彼があまりにも人気のため、予約が取りづらくなったこともあり、新人のH君にしてみた。なんでH君にしたかと言うと、清潔感があり、韓国人のような顔立ちでスジの入った筋肉質、笑うと素朴な笑顔が気に入ったのだ。
様々な人でこれまでパーソナルトレーニングをして来たのだけど、トレーナーとの相性のようなものが確実にあるものだ。どんなに上手いトレーナーでも、自分が生理的に好きになれなかったら、1時間を過ごすのは苦痛だし、成果も上がらないだろう。
パーソナルトレーナーは、どこかマッサージをしてくれる人に似ている。トレーニングの最中は、いろいろな身体の部位を触ることがあるため、その触感や力加減が自分に心地良いかが重要に思う。そして何よりも大切なことは、その触感から伝わるその人自身の波動のようなものだろう。
H君の力加減は、素直で大きく、波動はなんとも言えない安心感を感じるのだ。筋肉の部位を意識するように…と身体の部位を丁寧に触ってくるのだけど、その安心感からか落ち着いて意識もしやすい。
トレーニングが始まる時に、横になって肩甲骨周りを動かすストレッチをしてくれるのだけど、H君は僕の腕を触りながら、「あのー、とても色が白いんですね…」とまじまじと見ていた。ストレートであっても、タイプの男の子に身体を触られながらそんな風に言われると、
胸が千々に乱れるばかりなりけり…