幸せなゲイ。

ぺんぺん草のひろしさんの言う芝居がかったセリフに、
「幸せなゲイを連れてきてくれたら、陽気な死体を見せてあげるわっ」
というような言葉があるのだけど(ちょっと違うかもしれないけどだいたいこんな感じ)、昔からゲイは、『決して幸せになれない人たち』あるいは、『どこか幸せでない人たち』なのだと、2丁目のゲイ自身に思われていたのだろう。
先日Bridgeで飲んでいたら、隣につきあって24年だというカップルが座った。
彼らには時々Bridgeで偶然会うことが今までにもあったのだけど、59歳と58歳のカップルでありながら、いつ見ても熱々で、時々ふたりで顔を見合わせたかと思うとキスをするのだ。それも何度も。
もしかしたらひとりがハワイ出身ということもあるのかもしれないけど、なんとも自然にお互いのことを愛おしく感じているのが伝わってくる。
彼らはその昔、千駄ヶ谷の東京体育館で偶然出逢い(偶然ということにしておこう)、その1週間後にまた同じ場所で出会いキスをして、そのまた1週間後に同じ場所で会った時には、つきあうことにしたそうだ。
ふたりはそんな話を僕たちにしながら、僕とKの顔を見て、「ふたりとも幸せそうな顔をしてる」と言った。
ひとりは高齢のお母様の面倒を見ていて、ふたりで一緒に住むことは叶わないのだけど、ふたりで過ごせる時間は、とてつもなく幸福な時間なのだと言うのだ。
彼らの話を聞きながら、ぺんぺん草に、彼らを連れて行ったら面白いだろうな…と考えていた。ひろしさんに向かって、
「さあ、ひろしさん、陽気な死体を連れて来てちょうだい!」って言うのだ。
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