ふたりで暮らすこと。

箱根

僕とKがつきあいはじめてから、間もなく2年が過ぎるのだけど、先日ふとKが、「東京に行こうかな?」とつぶやいたことがあった。
僕は、どうせ冗談だろうと聞き流していた。末っ子のKが東京に来ることは、お母さんたちが寂しがるだろうし、仕事を東京に移すことも簡単ではないように思っていたから。
でも、今回、また同じ話が出た。Kが東京に来るか。僕が大分に行くか…。(大分の場合は、僕は掃除のおばちゃんだ…)
初秋の好天に恵まれた日、箱根に日帰りで行って来た。
前につきあっていた人とは、箱根はたまに車で行ったのだけど、今はロマンスカーで行って、箱根湯本からはバスで移動した。
美しい箱根の山や川を見ながら、こんな田舎で生活するのはどんな毎日なのだろう…と考えていた。
僕が今、仕事に疲弊しているからかもしれないけど、東京ではないどこか田舎の町で暮らすことに魅力を感じてしまう。
田舎で暮らすことに不安はある。僕は東京生まれ東京育ちだし、都会の便利さに慣れ過ぎているから。伊勢丹や映画館がないと気が変になってしまうのではないか…とか。
天山の温泉に久しぶりに行ったら、昔のようにゲイはいなくなっていた。入る時に小さなタオルを買ったのだけど、出る時にKがタオルを持って帰ると言う。
僕は、名前の入ったタオルなんか家に置かない主義なのだけど、Kは大事そうにタオルを持ち帰り、洗濯をして、こっそりと僕の白だけのタオルの中にその温泉タオルを忍ばせて帰ったようだ。
Kがいなくなった家で、文字の入った白い温泉タオルを見たら、なんだかとてもKに会いたくなった。
もしKとふたりで暮らすなんてことになったら、僕の家はこんなタオルであふれかえるのだろう…。
カテゴリーgay

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