16歳違いのおじさん。

先日、福岡から大分にソニックという電車で到着する頃、Kが僕に言った。
「誰かに会ったら、Tさんのこと、おじさんと言いますからね…」
僕は、「16歳違いのおじさんというのもなかなか微妙だろうけど、お兄さんではさすがに無理があるよな…」と言って笑った。
Kと大分の町中で一緒にいると、思いがけずKの職場の人に会うこともある。
都町という繁華街を抜けて、晩ごはんの店に向かって歩いていたら、Kがいきなり声を上げた。
「ドクター◯◯だ!」
僕たちはたまたま3mくらい信号のところで離れて歩いていたので、Kはドクターと奥さんに会釈をして、僕はそのまま通り過ぎた。
Kは、「びっくりしたけど、あの人は特に誰といたかなど言いふらす人ではないからよかった」と言った。
食事を終えて、軽く飲んだ帰り道。Kがローソンに寄りたいと言うのでローソンに入りかけた時、「あ!◯◯が出て来た!Tさん、僕は無視して先に入って!」と言った。
僕は、何事もなかったようにローソンに入り、商品を見ていると、少ししてからKが入って来て、「前はよく一緒にカラオケ行ったりして遊んだ同僚なんだけど、もう、つきあいはほとんど行かなくなっちゃって…出る時も別々に出ましょう」と言って別々に店を出た。
僕は、こんなやり取りを、実は結構楽しんでいる。なんだか秘密の関係みたいでちょっとドキドキする感じが面白いとさえ思っている。
Kは、毎回バレるのではないかとドキドキしているのがわかる。
※念のために書いておくと、僕は女装しているわけでもないし、わかりやすくゲイの看板を持っているわけでもない。でも、見る人が見たら、ゲイだとわかるある種のオーラは溢れているかもしれない。
そして、日本中で、僕たちのような秘密カップルは、沢山いるのだろうな…と思う。
今のままの秘密結社も十分面白いと思うけど、いつか、20年くらい経ってもっと日本が変わったら、普通にゲイのカップルが歩いていても、誰もなんとも思わない世の中にならないだろうか…。
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