ボジョレー・ヌーヴォー解禁。

11月の第3週目の水曜日なのでボジョレーが解禁になった。
ボジョレー・ヌーヴォーは30年くらい前、僕が高校生の頃にアンアンなんどで取り上げられ、すごいブームになったのだけど、その後何度も下火になりながらも様々な宣伝文句のためか、出荷量を着実に広げて来た。総生産量の中で1/4のボジョレー・ヌーヴォーが日本に来るというから驚きだ。
意外に知られていないのは、ボジョレーはブルゴーニュの北部に位置しているということ。あくまでもその年のぶどうの出来を試飲するためのものであって、普通のワインと違う製法なのですぐに飲むべきワインであり、寝かせておいてはいけないということ。それから、ボジョレー・ヌーヴォーと一口に言っても、作る場所によってまったく味わいが違うこと。(安ければいいというものではないのです)
僕は以前、ワインの権威である田辺先生とブルゴーニュに滞在して、シュヴァリエ・ド・タストヴァンというワインの騎士団を認定する式に出席したことがあるのだけど、その時に初めてブルゴーニュワインというものを知ったのと、ブルゴーニュが世界に向けて、独自の文化を広める工夫をしていて、それが見事に成功しているのを知った。その式のことは、また機会があったらここに書くけど、夕方6時くらいから、夜中の2時過ぎまで、お城の中で正装で様々なワインと食事を楽しみながら、宴を繰り広げるのだ。
そして翌日に、ボーヌという町で盛大なその年のワインの試飲会が催される。酸味があり、複雑な味わいのブルゴーニュは、ボルドーとは全然違って、あまりワインを飲んだことのない日本人には比較的敬遠されるワインのようだけど、押しも押されぬワインの王様と言って過言ではないだろう。
僕は毎年、どこかでボジョレー・ヌーヴォーを飲んでいる気がするけど、今年は帰り道に紀ノ国屋に寄ったらボジョレーの試飲をやっていたので、いくつか試飲をして、珍しく酸化防止剤の入っていないオーガニックのボジョレーがあったので買い求めた。(日本に輸入されているワインのほとんどすべては、酸化防止剤が含まれている)
家で、簡単な夕食を作りながら飲むボジョレーは、軽く、美しい色合いで、口に含むとぶどうの味がしてタンニンも少なく豊かな味わいを持っていた。2013年という年を振り返り、またこうしてヌーヴォーが飲めることがうれしかった。

すき焼き。

子どもの頃、家でごちそうと言えば、すき焼きだった。
僕は甘い醤油味があまり好きではなくて、いつも母に、「僕のだけは甘くしないで!」などと言って母を困らせていた。(すき焼きって、一つの鍋で同じ味になるではないですか)
それが大人になって、更にすき焼きが好きになった。
すき焼きは、海外でも広く知れ渡り、天ぷらや寿司と並ぶ日本を代表する料理であろう。(ちなみに天ぷらは、僕は大人になるまでそんなに美味しいものだとは思えなかったのだけど、大人になって初めて天ぷら屋さんでいただいた時に、今までの自分の考えが鮮やかに変わった)
関東のすき焼きと関西のすき焼きは全然違う。
関西のすき焼きは、脂を敷いた鍋で肉を入れるやいなや、肉に直接砂糖を振りかけ、焼きながら酒や醤油も少量肉にかける。それ故に、強烈に甘い。牛肉好きな京都のすき焼きなんかは、甘すぎて胸焼けするようだ。
関東のすき焼きは、牛脂を鍋に溶いたら、肉を入れて日を通しながらすぐに少量の割り下をかける感じ。ある程度肉を食べたら、野菜や豆腐や白滝も入れて、割り下で煮る感じで食べてゆく。
香港から友人カップルが遊びに来たので、久しぶりに『よしはし』に行った。
ここは、1年に1回か2回は訪れるすき焼きの店。
赤坂御所の隣、元赤坂1丁目にあり、ほとんど接待で使われるような店だ。上質な肉60グラムずつ3枚180グラムが1人分なのだけど、1枚が相当大きいので、いつもおかわりをしたいと思っても、3枚でちょうどお腹いっぱいになってしまう。そしてその1枚が、3150円という結構な値段なのだ。
ここは関東風で、お店の人が丁寧に作ってくれる。
割り下の配分を聞いたら、出汁は入れていなかった。普通、『今半』などでは、煮詰まらないように昆布出汁などが別にあるのだけど、『よしはし』はあくまでも牛のスープを使っていて海の食材は出汁に使っていなかった。
白いメレンゲのように溶いた玉子に、上質な牛肉をいただき、牛肉の旨味だけで、しいたけやネギや春菊や豆腐を味わう。最後には決まって、白滝を炒りつけるようにして炒めたものが出て来る。牛肉の味を吸い込んだ白滝は山椒の苦みとぴったりと合って顔がほころぶ。
帰る頃には、素晴らしい料理と心配りに、「頑張って仕事をして、またここにすき焼きを食べに来れたらいいな〜」と思える珍しい店だ。
★よしはし http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13010379/

東京のLGBTパレードの名前。

『ゴールデンウイークをレインボーウイークに!』という名の下、Tokyo Rainbow Weekが今年立ち上がった。僕はそこに正式には属してはいないと思うのだけど、ロゴを作ったりお手伝いをさせてもらっている。
それを来年は更に広めようと、台湾のパレード『TaiwanLGBT Pride 2013』に参加して、Tシャツやプラカードなどを作り宣伝してきたのが先月末のこと。
先週末には、主要なメンバーが集まり、来年のweekの内容を話し合う場があり顔を出した。そこで、決めかねているのが、TOKYO RAINBOW WEEKの中にあるパレード自体の名前の問題。
今まで、東京では何度もゲイパレードが立ち上がっては、解散して消えて行った。今回、パレードとレインボーウイークが一緒になるということで、名前をきちんと決めようということに。
ポイントとしては、英文できちんと通用する名前であり、日本人にも分かりやすい名前にしたいということ。
Tokyo Pride
Tokyo LGBT Pride(しつこい?)
Tokyo Pride Parade(これは変な感じ?)
Tokyo LGBT Parade
Tokyo Pride March
たとえばNYのゲイパレードを、みんなNY PRIDEと言うと思うのだけど、カテゴリーの中ではNY PRIDEの下にmarchとあるみたいhttp://www.nycpride.org/。まあ、NY PRIDEという傘の下、様々なイベントがNYのあちこちで行われるお祭り週間のようになっているからでしょう。でも、みんなmarchとは言わないですよね?NY PRIDEといったらパレードだって思いますよね?などと色々なことがはっきりとはわからないので、ネイティブの友人に聞いたところ、
『個人的には”march”と聞くとパレードと同じ意味あいを持っているとは思いますが、どちらかというと”march”は何かの運動・イベントのために集団で歩いて(有名なので思い浮かぶのが”March for Babies (March of Dimes) ” http://www.marchforbabies.org お金を集めるようなイメージがある一方、”parade”はもっと華やかな、お祭り的なイメージがあります。個人的にはNY PRIDEと聞くとあー、あのゲイパレードね!と結びつきます。
などと返信が返って来た。
さて、いったいどの名前がぴたっと来るのだろうか。そして、来年のパレードは、今までのパレードからもう一段階成長して、より楽しいものになるのだろうか?

ぺんぺん草にて。

朝から、なんだか『ぺんぺん草』のことが気になっていて、仕事を終えて軽くBridgeに顔を出した後、ぺんぺん草の扉を開けた。
先日、オーストラリアに住む友人のCが来た時も、久しぶりのぺんぺん草だったのだけど、今回は芝居のチケットも取っていなかったこともずっと忘れていたくらい。
中には若い頃からよく知っているKenがいて、今度の週末にウエスティンで男同士で結婚式をあげると言っていた。(因みにこの結婚式は周りでとても話題になっている)
ふと気がつくと、いつもは干涸びたドライフラワーしかない店の中に、生の花が飾ってある。
僕が不思議に思ってマスターに、「あれ?ひろしさん、どうしたの?この花?」と尋ねるのだけど、ひろしさんは不思議な顔で僕を見つめてはぐらかす感じなのだ。
少ししたら今度は友人のTが上がって来て、同じように生花に気がついて、大きな声をあげた。「あ〜!今日、ひろしさんの誕生日じゃん!!!!!」。すかさず僕も大声をあげた。「あ!そういえば、俺も数日前に手帳を見ながらぺんぺんに行かなきゃって思っていたのに、今の今まですっかり忘れてた!」
ひろしさんは照れくさいのか、あまり誕生日のことには触れて欲しくはなさそうだったけど、お花は毎年Kenがひろしさんの誕生日には持って来てくれるという話だった。なんてやさしいやつ!
僕は自分の誕生日というのはとても祝う気持ちになれないし、気恥ずかしくて誰にも気づかれたくないし、放っておいて欲しいというか、出来れば誰とも会いたくないとさえ思う。
そして、独りで過ごす誕生日は、とてつもなく寂しいというのも知っている。
今夜、自分が愛するぺんぺん草にいて、大好きなひろしさんの誕生日を一緒に祝うことができて、本当にうれしかった。
ひろしさんは実際には、卑弥呼よりも年をとっているかもしれないし、何歳だか、本当のところは誰にも分からないけど、誕生日おめでとう!!!!!

クリスマスを迎えるために。

15日辺りから、街でクリスマスのイルミネーションが始まった。1ヶ月以上もずっとクリスマス気分なんて、随分長い気もするけど…。
昔、家に遊びに来ていた女の子の友人Kaが、家に置いてあった二人のサンタクロースを、天井から吊り下げているモビールに勝手に吊り下げた。
それを手で動かすたびに、くるくると角度を変えて二人が色々な方向を向くので、思いがけずカワイイと言ってふたりで笑ったことを思い出した。
今年も二人のサンタクロースを出して来て、天井から吊るして回してみた。あの時と同じように、北欧の手縫いのどこかとぼけたサンタクロースたちは、くるくる回って部屋に温かさをもたらしてくれた。

スキミア。

Skimmia Brocox

大好きな冬の花をあげろと言われたら、真っ先に『スキミア Skimmia』をあげる。いつものように、近所のFUGAを覗いたら、スキミアを見つけたので買い求めた。
このミカン科のスキミアは、大きくは花は赤か白の二系統に分かれる。Slimmia Rubellaなどの赤い蕾も、寒さを和らげ華やかさをもたらすのでクリスマスにはうってつけで人気があるが、僕はこの、Skimmia Kew garden とか、Skimmia Brocoxなどの白から緑色を帯びた蕾の品種の清純さが好きだ。
晩秋から永い間、小さな蕾を着けたまま冬の寒さの中で生きるこの花は、何も言わず辺りに賑やかさを振りまいてくれる。
永い冬を越えて、早春の頼りない暖かさを感じるまで、そばにいてくれる友のように。
週明けに、この花に似合ったグリーンの鉢を買って植えて、二本のスキミアを対に飾ることにしよう。

精米機。

玄米を入れる

精米中

完成

「あぁ、なんでもっと早く買わなかったんだろう…?」
と思うものに、精米機がある。
永 六輔さんが前に、「なんでみなさん、精米機をご家庭に置かないのですかね?」というようなことを言っていたのが 頭の片隅にずーっとあったのだけど、先日、何気なく調べていたら1万円くらいだったのでついに買ってしまった。
今までは、2キロずつその場で精米してもらい、冷蔵庫で保管、なるべく早く食べる…を繰り返していた。でも、少し余ったまま時間が経ったりすると、精米した米は明らかに精米したてと違ってくる。
野菜も魚も我々人間の身体も、皮というものに守られて、中の水分を保っているのだ。精米して皮を剥ぎ取られた米は、刻一刻と干からびて酸化してゆくだけなのだ。
さて、この精米機、お米の量をきちんと計り、号数を合わせて、白米にするか、7分づきにするかなど選び、スタートボタンを押すだけで3分くらいで簡単に精米してくれる。
精米したての白米が、土鍋で炊き上がる匂いがして、ツヤツヤなお米を覗き見る時に、「あぁ、なんでもっと早く買わなかったんだろう…?」とまたしても思ってしまった。
★匠味米 http://karuwazaonline.jp/pc/dynamicContents.do?___SHOP_NO=00000003&f=80120900476

ジェンダー。

会社に、ダイバーシティーを研究しビジネスにつなげる糸口を探るチームがあって、その中の一つにジェンダーを扱うグループがある。後輩であり妹的存在のGになぜだか僕も入れられてしまい、ジェンダーチームのキックオフなる食事会が行われた。
そこには、僕の前の上司で、今は役員になってしまったSさんも出席したので、なんとなく緩やかなカミングアウトになってしまったように思う。(またGにはめられた!)
さて、ジェンダーという言葉を時々耳にするけど、いったいジェンダーってなんなのよ?と思われる人も多いのではないだろうか?セックス(性別)とどう違うのかと?僕も性にまつわる言葉が氾濫していて、その用語の意味の違いになかなか着いて行けてない。
たとえば、トランスセクシュアルとトランスジェンダーはどう違うのか?などなど・・・。
Wikipediaによると・・・
先天的・身体的・生物学的性別を示すセックス(英語: sex)に対する、「社会的・文化的な性のありよう」のことを一般に日本ではジェンダーという(この場合の「ジェンダー」という用語それ自体には、良い悪いの価値判断を含むものではない)。一方、欧米においては「gender」は、生物学的性の概念を含み、また文化的な差異とも異なるものとして認められる。
ほら、やっぱり難しいでしょ。日本語のジェンダーと英語のgenderでは、すでに意味が違って来ているし。
でも、今までずーっとこの世界では、男、女という白黒はっきりとさせることは、その人の一つの特徴を表すものとされて来た。でも、もしかしたらそれが今、変わりつつあるのかもしれない。
肉体的に持って生まれた性(sex)は、子どもを産める身体か、そうで無い身体かに分かれる。でも、自分が認識する心の性は、必ずしも肉体的な性別と一緒ではないという人がいることが、明らかになってきたのと、人が好きになる対象も、自分の身体的性(sex)と違う人とは限らない人もいるということがどんどん分かって来ている時代だからだ。
単純にこれらを掛け合わせると、12通りの性の多様性が認められることになり、それ以外にもXジェンダーなどが加わり、もはや性は単純に男か女かなどという二者択一では割り切れない物になって来ているのだ。
ここに来て、様々な性の多様性が認められはじめ、世界中で同性婚が少しずつ認められてゆくなんて、ちょっとワクワクする時代に生きていると思いませんか?
※Xジェンダーとは?
出生時に割り当てられた女性・男性の性別のいずれでもないという性別の立場をとる人々を指す。女性・男性の性別のいずれでもない性別を区分するかぎりでは、中性というあり方、無性というあり方、両性というあり方、性別という枠組みから脱するというあり方、女性か男性か定まりきらない流動的であるというあり方など人により様々である。

辻和金網。

伊勢丹で、京都の辻和金網が出店していたので、前から買い換えようと思っていた金網を買った。
足付きの足がコンパクトに折りたためるものが女子には人気のようだけど、僕はすぐに金網をどけて他の鍋を置いたりできるように横に足が着いているものを。
たかが金網と思うかもしれないけれども、辻和金網の金網を手にとってじっくり見てみると、均一に編み込まれた細かな網は、一瞬の乱れもなく、金網が終わり結ばれる部分さえも美しい。形が歪んでいたり、がたついていたりしているところはない完璧な形を見ていると、熟練した職人の手仕事に驚嘆の溜息さえもれてしまう。
平安時代から作られていたという金網細工は、日本の伝統工芸の底力を感じさせてくれる。
★辻和金網 http://www.tujiwa-kanaami.com/

冬のクリームシチュー。

木枯らしが吹き、冬将軍がやって来た。衣替えをまだしていなかったので、今朝は慌てて冬物を出した。寒さを感じるといつも、温かいクリームシチューが食べたくなる。
僕の母は料理が好きで、洋食もよく作ってくれた。その中でも兄はハンバーグが好きで、僕はグラタンかクリームシチューが好きだった。
母は、クリームシチューもグラタンも、市販のルーは一切使わず、きちんとバターと小麦粉を炒めて作っていたので、僕もそうするものだと思っている。
野菜を切ってしまえば、実は簡単に短時間でシチューは出来上がる。中に入っている調味料は驚くほどシンプルだけど、コクと旨味があり、なによりも身体を中から温めてくれる。
★クリームシチュー
1. 鳥もも肉2枚に塩胡椒を振り、30分おく。1枚を6つくらいずつに切る。
2. 玉ねぎ小1個はくし形に。人参小1個とジャガイモ2個は、なた切り(乱切り)。カブ小2個は食べやすく6個に(僕は皮を剥かない)。ブロッコリーとカリフラワー各1/2個は、小房に。マッシュルーム1パックは半分に切る。インゲン軽く一掴みはヘタをとり半分に。
3. 24センチ位の鍋に火をつけ、バター大さじ2を溶かし、鳥肉を皮目から入れて暫く放っておく。焼き色が薄くついたら裏返す。玉ねぎを入れ、人参とジャガイモも入れて白ワイン50mlを入れたら全体を軽く混ぜ合わせる。
4. チキンスープ150mlを入れる。火が沸騰して来たらアクをすくう。ここで塩を手でつまみながら少しずつ入れてゆく。味見をして少し薄いかなというところまででよい。
5. バター60gを小さな鍋に溶かして強力粉60gを入れて混ぜる。時々火から離しながら全体が混ざったら、泡立て器でゆっくり混ぜながら、4のスープを少しずつ足してゆく。トロッとして来たら、4の鍋に入れてゆっくり全体を混ぜ合わせる。
6. カブとマッシュルームを入れて10分くらい煮る。
7. カリフラワーを入れて、ブロッコリーを入れて、インゲンを入れてすぐに火が通るので、牛乳200mlを加える。全体が熱くなったらここで最後に塩加減を調整して胡椒を引いて完成!あったかいよ!