Nにメールを。

後輩のNは、コピーライター。海外に留学していたので英語は話せるし、大学院まで行ったせいか、物腰も落ち着いている。離島で育ったせいか、どこか純朴で、一緒にいるとホッとするような人だ。
東日本大震災の後、東京で小さな子どもたちのいる家族と暮らす事に疑問を感じ、家族を自分の生まれ故郷である長崎の五島列島に移住させた。
その後、2年間くらい、自分は東京に独り残り、時々五島列島に飛行機で家族に会いに飛ぶような生活をしていたのだけど、昨年の秋に、会社の九州支社に募集枠が出たため、期限付きで福岡に自ら転勤して行った。福岡からならば、いざという時でも五島列島はすぐ近くにあると思えるに違いない。
その時に送別を兼ねて忘年会をしたのだけど、ふいに1年経って、「そういえば、Nは元気にしているかな?」と思い、様子をうかがいがてら、忘年会に来ないかというメールを書いた。すると、Nからは、うれしい返信が来た。
>Tさん、Kさん、Sさんとの忘年会ならば、出張関係なく行きます。
マイルがたまっているので気にせず行けます。みなさんの予定に合わせて、行きますので。
今はメールのやりとりで、なんだか全てが事足りてしまうような毎日を過ごしているけど、実際に人に会って顔を見ながら、ひとときをともに過ごすことは、なんと豊かな時間の過ごし方だろう。
Nとのやりとりのおかげで、メールに出て来たKさんは、間もなく役職定年を迎えることを知った。日頃、忙しい忙しいと自分のことばかりで、SNSなどで様子をわかっているつもりで連絡を取る事をおろそかにしていたけど、本当の意味で、人にきちんと向かい合っていなかったなあと改めて思い至った。
人は、iPhoneやPCの中にはいない。そう思った一日だった。

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