イタリア映画祭。

素晴らしき存在

日常のはざま

フォンターナ広場 イタリアの陰謀

神宮外苑は、この時期特有の、ドングリの花の匂いに包まれている…(笑)。東京のゴールデンウイークは、晴天に恵まれているけど、僕はほとんど、映画館にこもっている…
〈イタリア映画祭〉
『ふたりの特別な一日 』
芸能界入りのコネを掴むために、遠い親戚の代議士に会う約束を取りつける女の子が、その日、なかなか会うことが出来ずに、運転手とローマの街で遊び始める。女性監督による作品は、脚本も展開も甘く、見るに耐えず、途中で出てしまった。笑
『素晴らしき存在』★★★★
役者志望の主人公が、ローマの古いアパートを借りることに。暮らし始めてみると、なんだか人の気配がして…。ウディ・アレンの映画のような映画にしか出来ないマジックを体験させてくれる。この監督、ゲイネタがいつも出てくるけど、もしかしたらゲイなのかもしれない…。イタリアらしいウィットに富んだ素晴らしい作品。イタリア・ゴールデングローブ賞で最優秀監督賞や最優秀男優賞などを受賞。
『日常のはざま』★
カメラワークがいいから観れるのだけど、この手のマフィアの抗争ものは苦手。イタリア映画の何本に一本は、こういう暴力映画がある。
『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』★★★★
超ヘビー級イタリア映画。60年代末に、フォンターナ広場の銀行爆発事件を始め、様々な爆発事件が相次いだ。極左?極右?国?アメリカ?結局未だに真犯人は判明していない、歴史に翻弄された戦後のイタリアを描いた大作。
今回、イタリア映画祭は、10本の映画を鑑賞する(あと二本)けど、ほとんどの映画が、イタリアの今の経済や先行き不安を反映しているのか、とても行き詰まり感が強く、暗い映画が多い。コメディでさえも、下地は経済の停滞を反映している。
映画というものは、その時代のその国の状態を、コマーシャルなどよりも色濃く映しているのかもしれない。

桃(タオ)さんのしあわせ

飯田橋に、ギンレイホールhttp://www.ginreihall.com/という素晴らしい映画館がある。早稲田松竹と同じように、公開された名画を二本立てで観せてくれる。現在は、『別離』という、アカデミー賞外国語映画賞に輝いたイランの素晴らしい映画を併せて上映している。
60年間家で働いてくれた家政婦の桃(タオ)さんが、脳卒中で倒れてしまう。同居していた映画製作者の末っ子は、桃さんを、まるで自分の母親のように、面倒を見ることを決意するという香港の映画。
眈々とした老後の暮らしが、アジア情緒たっぷりで描かれる。家族とは何なのか?年をとり、身体も衰えて来た時にどのように生きるのか。そして、周りの者は、どのように生きるのか。ある程度の年齢になると、誰にでも避けては通れない問題を、実話を元に温かい映像によって作られた佳作。
★桃(タオ)さんのしあわせhttp://taosan.net/

17歳のエンディングノート

久しぶりのダコタ・ファニングが観れるというので、新宿武蔵野館へ。
原作は、『16歳。死ぬ前にしてみたいこと』英国の文学賞「ブランフォード・ボウズ賞」受賞のYA部門ベストセラー小説。
予告編ですべて内容が分かってしまうのだけど、思春期の少女が、白血病になり、余命宣告をされて、自分が死ぬまでにやりたいことをリストアップしてやってみるという話。
父親役のパディ・コンシダインが素晴らしかった。この人は、昨年公開された大好きな映画『思秋期』の監督でもある。内容も分かっていたので冷静にただ観ていたのだけど、彼の演技に、二回ほど泣いてしまった。
照明がわざとらしかったり、話が先が読めてしまうのが惜しいけど、自分が余命宣告されたら、いったいどのように生きて行くのだろうか?と想像させてくれただけでも、観に行ってよかったと思っている。
僕も、テッサのように、同じ時に、「あ、俺は今、生きているんだ…」と感じたことがある。
『生きているんだ…』と、最近感じていますか?
★17歳のエンディングノートhttp://17ending.com/news/?page_id=5

カラフル ラン 東京

TOKYO RAINBOW WEEKの、『カラフル ラン東京』というイベントがあり、原宿界隈を為末 大さんと一緒に走った。
30人以上の参加者がいて、それぞれカラフルな格好で走ったのだけど、パレードのように、ハッキリとした主張を掲げることはないので、なんだろう?あの集団…と思われていたかもしれない。
それでも、レインボーカラーで楽しんで走るというイベントは、何だか新鮮に思えた。
パレードならば、警察や国や都が、相当うるさいのだけど、町を走るという行為は、誰に文句を言われることもなく自由だから。
為末さんは、やはりとても素敵な人だった。この会の趣旨に賛同し、参加してくれたようだ。
僕の、レインボー教団の教祖様のような写真が後輩たちによってFacebookでアップされているようだけど、後輩たちは会社の人とも沢山繋がっているらしいから、緩やかなアウティングになっているか、「あの人、ちょっと気狂いみたいな洋服の趣味なのね…」と思われているかだろう。
このイベントは、次回、『カラフル ラン小淵沢http://www.goodagingyells.net/event/run-kobuchizawa.html』ということで、6月8日に、小淵沢で10キロのコースを走るようだ。