箸の話。

みやこ箸

我が家の箸たち

昨日行った伊勢丹の『京都歴代のれん市』では、
毎年、『市原平兵衛商店』が出店しているので、いつものぞいている。
僕は、もう15年以上、ここの「みやこ箸」という、箸を使っている。
これは、京都の四条河原町近くにある店で求めたもので、
150年程の歳月を経て、燻された『すす竹』で出来ている。
四角形の形状が実に握りやすく、固く尖った箸先が、
小さな物でも逃さずに拾いあげることが出来る。
中国に行くと、プラスチックの箸が箸立てに突っ込んであって、
どれも先端が太く非常に粗野で使いづらいと思うし、
韓国に行くと、冷たい金属で出来た箸を、口の中に運ぶ時に、
あのヒンヤリした触感がいつも馴染めない。
これは、我々が、小さな時から、
日本独自の繊細な箸の文化で育ったためだと思う。
『お箸の国の人だもの。』
というキャッチフレーズが、昔、味の素の広告で使われていたけど、
この言葉は、ひと言で、この国がそれぞれの季節の旬の食材を取り入れ、
旨味を使った独自の食文化を育んで来た誇りを表現していると思う。
4000円以上するみやこ箸を、最初はとても高いと感じたものだけど、
一度使ってみると、もう他の箸には戻れなくなるから不思議だ。
箸のくせに4000円以上?という考え方もあるかもしれないけど、
箸は、毎日、大切な命を口の中に運んで、味わわせてくれるのだ。
箸が使いやすく、美しいと、食べ方も美しくなるに違いない。
ヨーロッパのシルバーの文化に決して劣ることのない、
美しい日本の文化のひとつであると考えることもできる。
※写真は、家で愛用している『市原平兵衛商店』の美しい箸たち。上から、
揚げもの箸(揚げ物が滑らない)
焼きもの箸(火に強い)
菜箸
菜箸
白竹もりつけ箸
白竹のし箸

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