好きなものを追いかける人。

Tは、仙台出身で、早稲田大学を卒業した後、大手証券会社に入り、三年の後に証券会社を辞めて、スポーツクラブのインストラクターになった。
中学生のようにまっすぐな瞳で、口元にご飯粒でもついているのに、気づかすに大きく笑っているような、どこか純朴な人柄。
証券会社は、給料は良かったけど、ある時、給料をいくらもらってもどこか満たされず、自分はこの世界では一番にはなれないと気づいて、大好きなスポーツの世界に転職をした。
スポーツクラブでは、いつでも変わらぬ元気な笑顔でみんなの人気者だけど、しばらく働いた後、このままここにいるだけでいいのかと思い始めていたようだ。
今日、久しぶりに会ったTは、僕に会うなり、「五月にアメリカに行きます」と宣言した。
一週間お休みをいただいて、フロリダのスポーツ施設や現場を見て、二年後にアメリカにスポーツインストラクター留学したいという計画を話してくれた。
好きなものに向かって、挑戦をしている人は、美しい。やりたいことに対してがむしゃらだったり、無鉄砲な人が、僕は好きだ。
26歳という若さと、彼の情熱があれば、きっと、どんなことだって出来る。そんな彼を見ていて、ちょっと嫉妬してしまった。
いくつになっても、諦めたり、守りに入らずに、自分の好きなものを追いかけ、好奇心旺盛でいたい。
Tの真剣な眼差しを見ながら、そう思った。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です