Giglioで新年ランチ

前菜の盛り合わせ

ミラノ風カツレツ

新橋界隈で、一番好きなイタリアンを挙げると、迷わず「Giglio http://giglio-giglio.jimdo.com/」と答える。giglioは、イタリア語で百合。ランチに行くことが多いのだけど、地下に続く階段を降りながら、現実から少しずつ離れて行って、重いドアを開けるとそこは、一気にトスカーナの田舎のレストランになる。ランチでも手を抜かないし、ピチなど、トスカーナ特有のホームメイドパスタが食べられる珍しい店。
今日のランチは、18年間くらい一緒に仕事をしている僕の一つ下の男の後輩Iと二人。Iの今年の正月は、久しぶりに幸せな正月だったとのこと。一昨年は、Iのお父様が入退院を繰り返し、昨年はお父様が亡くなった後で、家族中が喪失感から抜け出せなかったらしい。30代の後半から40歳を過ぎる辺りから、家族の様々な問題が降りかかり、苦しい日々だったけど、今年は平和に正月を迎えることができて嬉しいと言っていた。
若い頃は、自分のことだけ考えていれば良くて、実際自分のことだけで精一杯なのだけれども、年を重ねるごとに、家族の老いや病気、喪失など、様々な問題が起こってくる。そしてそれとともに、自分自身の身体も少しずつ前とは違ってくるから不思議だ。神様は、なんて巧妙に僕たちの人生を設計されたのだろう。
家族が健康で、平凡な毎日をおくれるというだけで、それがどれほど幸せなことなのか。お父様を亡くした時の話を聞きながら、僕も苦しかった昔を思い出し、今のささやかな暮らしを幸福に思ったのでした。

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