恋のロンドン狂騒曲

シートに埋もれて、ウディ・アレンの映画が始まる時の、あの幸福感はなんだろう…あの幸福感を味わうために、映画館に行くと言っても過言ではない。
今回は冒頭に、「人生は剣幕ばかりの空騒ぎ 意味など何ひとつない」というシェイクスピアの言葉を引用しているように、アンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツ、アントニオ・バンデラスなど、豪華なキャストが繰り広げるそれぞれのドタバタ人生は、滑稽なようでありながら、知らないうちに誰かに肩入れしたり、罪悪感を共有したりしてしまう・・・。
77歳のウディ・アレンならではの、人生に対する深い洞察が込められた本作は、観客の人生観を試すかのような不思議な味わいを持って迫って来る。
先日、短い間公開されていたドキュメンタリー映画『 映画と恋とウディ・アレン』も合わせて観ると、作品それぞれに生きることや人生をテーマに描いて来たことが分かり、77歳で今も創作意欲溢れるウディ・アレンに敬意を表したくなるに違いない。

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